子供の病気/その他の子供に多い病気

「かかりつけ医」と「専門医」の違いって?

子供が喘息など、慢性の症状があるときに頼りになるのが「かかりつけ医」。理想のかかりつけ医とはどんな先生なのか、考えてみます。

執筆者:長尾 大志


喘息の発作の時の対処

Q:喘息の男の子の母親です。 今、小児科選びについて、とても迷っています。普段、息子はかかりつけの小児科から出ている薬を毎日飲んでいます。風邪が長引いたり、こじれたりすると喘息の発作がでるので、発作止めの薬を常備しています。

少しでも発作がでたら、かかりつけ医に吸入をしに行くのですが、吸入をして症状が改善したことがありません。結局はそのまま大きな病院へ行き、点滴をすると結構ケロッと回復してしまいます。

かかりつけ医は、気軽に相談できること
かかりつけ医は、気軽に相談できることがメリット
ですが、かかりつけの小児科では点滴を行ってくれません。点滴をするということは、重い症状なので、「入院が前提」だということです。そこで始めから入院設備の整った病院で点滴をうけるべき、と言われています。

決まった薬だけで過ごすのなら、なんだか「近くのかかりつけ医」の意味がないような気がしてしまい、小児科を変えるべきなのかどうか悩んでいます。喘息の小児科選びで、注意点はどんなことでしょうか。教えてください。

かかりつけ医の意味

A:お答えします。私の考えるかかりつけ医は、こんな感じです。
  • 普段のお薬を処方し、定期的に診察してもらう
  • ちょっとしたことを気軽に尋ねられる
  • 風邪などの時にはすぐに治療してもらえる
  • 病気の状態が変わったり、治療方針を変更したりする必要がある場合は速やかに専門医に紹介してくれる
そして、専門医はこんな感じ。
  • 基本的な治療方針を立て、普段のお薬を決定する
  • 病状が変わったときには治療方針を変更し、かかりつけ医に伝える
  • 症状が重いときの入院を担当する
質問の方の場合、「かかりつけ医が点滴してくれれば、話は簡単」と思われるかも知れません。点滴だけでケロッと治る、という状態が続いていれば、なおさらでしょう。

しかし喘息発作の場合、少し悪くして入院、となるケースがあります。入院が必要となったときに他の病院へ移動すると、最悪、その間に呼吸停止、ということになるかもしれません。

万一のことがあると大変ですから、やはり発作時にかかるところは入院施設がある方がいいとは思います。ほとんどの場合、何も起きない。点滴で治ってしまう。そういう場合の判断は本当に難しいですね。でも医師としては「いざというとき」があっては困るので、やはり入院施設での点滴をお薦めしたいです。

以上のようなことに気をつけて、かかりつけ医に相談するようにしましょう。

*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。


<参考リンク先>
喘息クイズ(ぜんそく大事点ブログ)
喘息の正しい治療法と薬の正しい知識(PDFレポート)
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