水痘(水疱瘡)って、どんな病気?
Q:うちの子供の皮膚に2・3個ブツブツができました。熱もあるようなので病院へ連れて行くと、「水痘(すいとう)です」と言われました。「範囲が狭いのでお薬は使わなくてもいい」とのことでしたが、本当にお薬を使わなくてもいいのでしょうか?また、家でどのような手当てをすればいいのでしょうか?教えてください…。A:お答えします。水痘はウイルスによって起こる病気です。水痘にかかった子供の咳やくしゃみで飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染します。水疱が破れてでてきた液に触れても感染します。感染してから発症するまでの期間を潜伏期といいますが、水痘の場合およそ2~3週間程度です。
症状・合併症は?
熱は数日で下がります |
ブツブツの出方は様々で、全身にたくさん出ることもあればパラパラと少し出ただけで終わってしまうこともあります。熱はそれほど長くは続かず、数日で下がります。熱は出ない場合もあります。
水痘の合併症はそれほど多くありません。髄膜炎や肺炎などがありますが、いずれも稀で、重症になることはありません。
ただし、水痘にかかったときにアスピリンが入った解熱剤を使うと、ライ症候群という脳の障害を起こしてしまいますから、使ってはいけないことになっています。では何を使うのかというと、安全なのはアセトアミノフェンという薬です。小児科で処方されるのはまず間違いなくアセトアミノフェンですが、念のため内服させる前には必ず確認するようにしてください。
また、水ぶくれが破れて細菌が入ると、膿がたまったり、とびひのような状態になります。
治療法は?
水痘ウイルスを退治するのは抗ウイルス薬のゾビラックスと言う薬です。発症してから48時間以内にゾビラックスを使うと症状が軽くて済みます。水痘そのものはそれほど強い症状を起こすものではありませんから、特に症状が軽いときには自然に治るのを待つこともあります。家庭でのケアは?
まず水痘と分かったら、保育園・幼稚園・学校に連絡して休ませます。水痘は感染力が強いので、水ぶくれがある間はあまり外に出したり、友達に会ったりしないようにしてください。家庭では普段から皮膚や手を清潔にすることと、子供が皮膚を掻きむしらないように注意する必要があります。汗をかいたらまめにシャワーをさせ、よく手を洗わせます。場合によってはガーゼなどで覆うのも一つの方法です。
水ぶくれにはカチリという、かゆみ止めの白い塗り薬を使うこともありますが、うちの息子の使用経験からは、効果は限られるように思います。
予防接種は?
水痘はそれほど重症にならず治ることがほとんどなので、身を守るという意味では予防接種は必要ないという考え方もあります。ワクチン接種には賛否両論ありますので、医師とよく相談の上、よく理解したうえで接種しましょう。*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。
<参考リンク先>
水痘(かのうクリニック)
水ぼうそう(土川内科小児科)
水疱瘡(こぐま保育園)