生命保険は、長期にわたる契約が多いので、加入するときには、会社経営の健全性をチェックすることも大切です。格付けは、その健全性を客観的に評価する指標の1つです。どんなものか知っておきましょう。

格付けは、インターネットでも簡単に調べられる。

格付けは、インターネットでも簡単に調べられる。

格付けとは?

格付けの本来の意味は、物事の等級や順位を定めることですが、金融業界においては、社債などの元本・利払いの安全度合いをランク付けしてアルファベットなどで示すことを言います。格付けを行うのは、格付け機関と呼ばれている会社で、格付投資情報センター(R&I)、日本格付研究所(JCR)、S&Pグローバル・レーティング・ジャパンなどがよく知られています。

生命保険契約の場合は、「保険財務力格付け」または「保険金支払能力」の格付けを見ます。この格付けの定義は、「保険契約に基づいた債務を滞りなく履行できる能力」です。ひらたく言うと、「保険金などを支払うと約束したことが起きたときに、約束した通りの条件でちゃんと払える能力」がどの程度かということ。なお、格付け機関では、あくまで意見を述べているにすぎず、保険会社の財務力や保険金の支払い能力を保証しているわけではありません。

保険会社の経営の健全性を評価する指標として「ソルベンシー・マージン比率」があり、この数値の公表は義務付けられていますが、格付けの取得・公表は特に義務付けられているわけではありません。ですから、取得していない会社もあります。取得・公表している会社でも、複数の格付け機関から取得している会社もあれば、1社しか取得していない会社もあります。取得・公表していないから何か問題があるわけではありませんが、取得・公表している会社の方がより客観的に評価できると言えるでしょう。

格付けはどう見る?

格付けは、アルファベットと+・-などの記号を組み合わせていますが、格付け機関ごとに表記の仕方が少し異なります。全社の表記の意味を説明するのは大変なので、格付投資情報センターの表記の意味を下記に簡単に触れておきます。

AAA(トリプルエー)

保険金支払い能力は最も高く、多くの優れた要素がある。

AA(ダブルエー)

保険金支払い能力は極めて高く、優れた要素がある。

A(シングルエー)

保険金支払い能力は高く、部分的に優れた要素がある。

BBB(トリプルビー)

保険金支払い能力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。

一般的に、ここまでが安全と判断してもいいとされている格付けです。この下に、BB、B、CCC、CC、Cと続きます。

ただ、今は安全と判断される格付けを取得していても、将来にわたって安全というわけではありません。生命保険には終身保険や終身医療保険のように保障期間が一生涯という商品があります。このような契約は、今後30年以上、50年以上の超長期にわたって安全でなければ困りますが、さすがにそんな先まで安全かは誰にも予測できません。なので、格付けは、あくまで現時点の安全度の目安と捉えましょう。

では、加入してから、格付けが安全とされるランクより下がってしまったらどうすればいいのでしょう? これは、静観しているしかありません。生命保険は他社の商品に簡単に乗り換えできる性格の商品ではないからです。それに、格付けの降格が直ちに経営破たんにつながるわけではありませんから。

なお、格付けは各社のホームページやディスクロージャー誌などで確認できます。


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