電源タップの有用性と危険性、そしてインテリア性
ideaco「TAP BOX」 |
電源のコンセントは、数が限られている上に、大体、一部屋に4~6個口くらい。それでは、今の生活の中では足りなくなって当たり前で、どうしても別途電源タップや延長コードを使うことになります。でも、電源タップは多少デザインしたとしても、結局のところコンセントの口がいくつも開いたものには変わりなく、そこからいくつものコードが伸びているのは、あまり良い景色ではありません。
また、たこ足配線の危険性はもちろん、4個口程度であっても、部屋の隅で埃をかぶると、火災の原因にもなり兼ねません。美観については言わずもがなでしょう。とはいっても使わないわけにも行かず、中々悩ましい問題だったりします。それを、少しでも解決してくれそうだと思ったのが、ideacoの「TAP BOX」です。
デザインだけでなく電源タップとしての機能も高性能
底面にコンセントが4つとブレーカースイッチがある
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この電源タップは、写真でお解りの通り、4つのコンセントをキューブ状の箱の中に仕込んだもの。構造的にはそれだけのものですが、これが、よく考えてあるのです。まず、通常の電源タップと違い、4つの口がお互いに離れているので、比較的大きめのソケットやACアダプタ一体型のものでも、他のコンセント口をふさぐことなく利用できます。
また、コンセントのアース側に「W」の刻印があるので、オーディオ機器などを接続する場合、どちらがアースなのか迷わずに使えます(コンセントの二つの穴、それぞれの役割と、方向を正しく利用することでオーディオの音質が良くなることについては、オーディオ・ビジュアルガイド鴻池賢三さんのガイド記事「コンセントには方向がある」をご参照下さい)。
ブレーカーも内蔵していて、総電力量が1500Wを越えると自動的に電源が切れる安全設計。一度電源が切れると、全てのコンセントを外して、コンセント口横にあるブレーカースイッチを押すと、再び使えるようになります。おざなりのブレーカーではない、ちゃんとしたものなのも好感が持てます。ちなみに、パソコン+テレビ+プリンタにオーブントースターを使っても、1500Wには届きません。
電源タップの問題点をキューブ型の形状が解決する
思った以上にケーブルがスッキリ見える
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この形状だと、コンセント部分が露出しないというのが一番のポイント。見た目がスッキリするだけでなく、コンセント部分に埃が溜まりにくく、小さい子供などが悪戯で引き抜く危険性も少なく、掃除の際も、コンセント部分を直接持たずに済むため、安全で清潔です。また、ケーブルが同一方向に出るので、ちょっとした変化のはずなのですが、実際の美観は大きく変わります。
4個口の電源タップにしては、やや大きいという印象を受けますが、床を占有する面積は、見た目がスッキリする分、むしろ小さくなる感じですし、タップの上にすぐ何かがある、というケースは少ないので、高さはさらに気になりません。この高さがあるから、安全設計のための機能を入れることも出来るわけですし、コンセント部分をゴチャゴチャさせずに内部に収納出来ます。
上部にあるトグルスイッチは、メイン電源のオンオフスイッチ。これで全体の電源を切ることが出来ます。長期の外出時など、いちいちコンセントを抜かなくても、待機電力を節約できるわけです。雷の時などにも便利ですね。
ガイド納富の「こだわりチェック」
この、「TAP BOX」と同じようなアイディアの製品としては、コクヨの「CABLEHOUSE」シリーズや、バルミューダ・デザインの「Colony」など、機能、デザイン共に優れた製品がいくつかあります。そのどれもが、ケーブルやタップを別の何かで覆い隠してしまおうというアイディアで作られているということは、やはり、これが一つの正解の形なのでしょう。それくらい、電源タップやケーブルは必要なのに邪魔という厄介な存在です。
だから、もしかしたら、この「TAP BOX」も決定版というわけではないのかもしれません。今後、画期的なアイディアの製品が出てくる可能性もあります。それでも、現時点で「TAP BOX」が良くできているなと思うのは、デザインだけでなく、電源タップとして出来ることはきちんとやっている丁寧な仕事ぶりです。単に、デザインしたキューブの中にコンセントを入れておけばいいや、という製品ではないのは、使ってみればすぐに解ります。特に、リビングのテレビ周り、テレビとゲーム機、DVDレコーダーなどで使うと、その威力を発揮するようです。
<関連リンク>
・ideacoの「TAP BOX」はスタイルストアで購入できます。