大事なペンならセパレートタイプのペンケースに
cyproduct「ペンケース 4 冠あり」 |
筆記具は道具なのだから、必要以上に大事にすることはないとガイド納富は思っています。過剰に大事にすることで、使うことに支障が出ては意味が無いと思うのです。しかし、一方で、手に馴染んだ道具が破損すると、金銭では計れないダメージがあることも確かです。
ペンケースは、そのあたりのバランスを考えて選ぶことも重要だなあと思うのですが、ペンの保護に重点が置かれていると、収納本数が少なく、その割に大きくて、価格も高くなってしまいます。デザインも画一的になりがちです。一方、カジュアルなペンケースだと、デザインのバリエーションが豊富で、収納本数も多くてコンパクトなのですが、ペン同士がぶつかることで、ペンが破損する可能性も低くはありません。自分が使い込んでつく傷なら構わないのですが、勝手についてしまう傷は、なるべくなら避けたいところです。万年筆の場合、傷が故障や破損に繋がりやすいということもあります。
そういうことを考えていたら、それを見抜いていたようなペンケースが、cyproductから登場した「ペンケース 4 冠あり」です。ペンがセパレートに四本収納できて、それをくるりと巻くことでコンパクトに持ち運ぶことが出来ます。革紐で留めるのは、cyproductの得意技。革の摩擦を使って、巻き付けるだけでしっかりと留めることが出来る、ガイド納富お気に入りのスタイルです。
コンパクトながら太い万年筆も収納できる
四つのポケットに独立してペンを収納する
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四本のペンは、写真のようにそれぞれ独立したポケットに収納。冠(かぶせ)が付いているので、キャップ部分やクリップ部分がぶつかることもありません。また、写真では見映えを考えてクリップをポケットの外に出していますが、冠があるのでクリップごとポケットに収納しても、ペンが落ちることはありません。むしろ、出し入れのスピードを考えると、クリップごと入れる方が正しい使い方ではないでしょうか。
ポケットはコンパクトに見えて意外に大きく、ラミーのサファリのような大きめのペンも余裕で収納可能。太さは約1.5cm、長さは約15cm程度のペンまでなら収納できます。これはペリカンのスーベレーンM800や、モンブランのマイスターシュテック146も収納できる大きさですから、スーベレーンM1000などの特別大きなペン以外の、ほとんどの筆記具が入ると考えて良いでしょう。
また、パーフェクトペンシルのような、長い筆記具の場合は、冠が無い四本目のポケットに入れれば、16cmくらいのものまでは収納可能。ここに鉛筆を入れて、他にペンを入れるというのも面白い使い方になると思います。使用時には、中が全て見渡せるので、その場で瞬間的に使うペンを選んで取り出す事が出来ます。実際に使っていて、一番便利だと思ったのは、その点でした。
カバンの中でも邪魔にならない巻き付け構造
ペンを四本入れて巻き上げるとこんな感じ
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ペンを四本入れて巻き上げると、写真のような感じになります。革紐は、軽く巻き付けた後、端を革紐のループの下をくぐらせるようにして引っ張ると、特に結んだりすることなく、きっちりと留まります。開く時は、少し革紐を緩めてやるだけで、はらりと解けます。デザインと使い勝手が上手くバランスをとっていると思います。
この状態でカバンに入れると、意外に場所を取りません。見た感じも大袈裟ではなく、でもペンはしっかり保護されている感じもあって、大事にしているペンを普段使いにすることが出来るペンケースに仕上がっています。
ペンを三本収納した状態。かなりスマート
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ただ、四本共太いペンを入れると、巻いた状態の時の収まりが悪くなるので、四本目、冠が無いポケットには細いペンを入れるか、いっそ入れないで三本用として使うと、巻いた時の見た目が良いと思いました(写真参照)。二本入れたり、一本だけ入れたりすると、巻き上げた時に、それ相応の大きさにまとまるので、好みで本数を選べるのも、このスタイルの嬉しいところです。
現在、ガイド納富は、赤いインク(ドクター・ヤンセンのダヴィンチ)を入れたラミーの「サファリ(スケルトンモデルにコンバーターを装着したもの)」と、グラファイトのインク(ドクター・ヤンセンのディケンズ)を入れたペリカンの「トラディショナルM200スケルトン」と、ラミーのボールペン「スゥィフト」の三本を入れて使っています。場合によっては、冠の無いポケットに四本目として、ファーバー・カステルのシャープペンシルを入れています。この四本で普段の取材や打ち合せ、ラフ作成、データの整理など、ほとんどの作業に対応できます。
ガイド納富の「こだわりチェック」
使われている革は、ナッパレザーと呼ばれるイタリア製タンニンなめしの革で、柔らかく腰が強いもの。この柔らかさが扱いやすさにも繋がっています。ただ、革の仕上げのせいか、多少乾燥しやすいようなので、使い始める時に、ミンクオイルを塗っておくと、質感も良い感じになるし、長持ちするようになるのでお勧めです。ミンクオイルは靴用のものでOKです。
ステッチの丁寧な仕事ぶり、革の選択のセンスの良さ、冠の大きさの絶妙さと切れ込みを入れて使いやすくしてあること、ポケットの楕円の形の良さと大きさのバランスの良さ、などなど、良いところは沢山あるのですが、ガイド納富としては、長さと巻いた時の太さがカッコよく見えるサイズバランスの良さと、巻き付けるタイプなのに、ペンはセパレートで入れられることだけで、もう愛用してしまいます。
似たコンセプトのペンケースは、時々他にも見かけるのですが、大き過ぎたり、布製で保護に問題があったりと、決定版となるようなものはありませんでした。そんな中、ガイド納富的にはかなり理想に近いペンケースが登場したなあという感じなのです。
<関連リンク>
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