ペンケースのデザインは容量次第で決まってしまう
m+「ROTOLO」 |
実は、ペンケースマニアでもあるガイド納富ですが、様々なペンケースを使ってみて思うのは、万能のペンケースは無いということです。当たり前といえば当たり前なのですが、ペンケースと言っても、その中にいれる筆記具も色々なら、使いたいシーンも色々、目的も単に普段持ち歩く筆記具を収納したいというものから、大事なペンの保護まで、とても幅が広いのです。
その割にデザインのバリエーションも少なく、どこか似たようなものが多いのは、筆記具の形や大きさはある程度同じようなもので、それを効率良く入れようとすると、どうしても同じような形になってしまうからでしょう。また、どの程度の本数の筆記具を入れるかで、そのデザインも大体決まってしまいます。
そんなペンケースのバリエーションの中で、ガイド納富がつい手に取ってしまいやすいデザインは、布や革を巻いてペンを収納するタイプです。元々、筆記具が円筒状であるせいか、巻物のようなデザインとの相性が良いように思うのです。前に、ガイド記事で紹介したcyproduct「ペンケース紐」(3,675円)や、残念ながら販売が終了してしまった土屋鞄製造所のプルレザーを使ったペンケースなど、デザイン性と遊び心のバランスが良いペンケースが多いのです。
その巻物タイプのペンケースですが、その構造上、あまり沢山のペンを入れるのには向きませんでした。お気に入りの数本を持ち歩くケースという感じのものが多かったのです。ところが、このm+のペンケース「ROTOLO」は、スマートな巻物型の外見ながら、かなり沢山のペンを収納できてしまいます。ペンケースにおいて、見た目と収納量にギャップがあるというのは、とても珍しいことなのです。それだけでも、この「ROTOLO」がタダモノではない事が分かると思います。
ペントレイ的にも使えて、鞄の中では場所を取らない実戦タイプ
巻物状のペンケースを開くと意外なほどの収納力 |
上の写真は、撮影用に沢山のペンを置いたのではなく、普通に、これだけのペンが収納できたことに驚いて、その証拠に撮影したものです。ノック式のボールペンが2本、ノック式4色ボールペンが2本、万年筆が2本、キャップ式のボールペンが2本、UFOパーフェクトペンシルが1本の計9本のペンが収納されています。これでも、特に無理はしていないので、巻き取っても不細工になりません。
この、沢山入れられて、大人が持てるデザインのペンケースというのは、本当に少ないのです。でも、仕事で使うペンや小物は結構多かったりして、それらを機能的にまとめられるだけでも、この「ROTOLO」の価値は高いと思うのです。
一枚革で全体を巻き取るスタイルなので、開くとそのままペントレイの様に使うことも出来ます。ペンを入れる部分が袋状になっていないので、中をスッキリ見渡せる上に、マチも布製なので扱いがとても楽。ガチャガチャと必要なペンを探して、さっと書いたら、すぐ次のペンをとりだして、といった作業がとてもスムーズなのです。使い終わったら、まとめてクルクルと巻き取るだけですから片づけも簡単。
イタリアのタンニン鞣し革だから経年変化も楽しめる
真鍮製の留め具も使い込むと味が出る |
ストラップ部分はゴムになっているので、実際は、もっと沢山のペンを収納することも可能ですし、数本だけ入れていてもだぶつくことはありません。また、ストラップを留めるのは、穴に引っ掛けるだけですから、大量に入れてパンパンになっていても、スムーズに開閉できます。
これは実際に使ってみて気がついたのですが、この円筒状のデザインのおかげで、鞄への出し入れがとてもスムーズなのです。モノで溢れている鞄でも、隙間に上手く入るのでとても助かりました。また、これだけの容量があると、今まで使いたくてもあまり使っていなかった筆記具も持ちだせるようになりました。すると、それらの筆記具の思わぬ便利を発見したりして、ペンケースと筆記具の相性のようなことも考えてしまいました。
使われている革は、多少染めが強いような気もしますが、使っている内に、どんどん触り心地が良くなっていきました。植物(タンニン)で鞣されているイタリアンレザーなので、使えば使うほど、手に馴染み、風合いが出てくるはずです。ペンケースのような、毎日何度も手にする道具の場合、革の成長も早いので、気がつくと、いつの間にかいい感じになってる、ということになりそうです。
ガイド納富の「こだわりチェック」
沢山のペンを無造作に入れられるペンケースで、デザイン的にもしっかりしているものというと、ほとんど選択肢が無い中で、この「ROTOLO」の存在は、とても心強いと思います。そのデザインも、シンプルな革筒にストラップが巻き付いているという、とても普遍的なものなので、老若男女を全く問いません。中学生が持っていても、お年寄が持っていても、どちらも違和感がないペンケースに仕上がっていると思うのです。
カラーバリエーションは、写真の黒革にオレンジのナイロンでマチを作ったタイプの他、黒革にベージュのマチのタイプ、黒革に赤のマチのタイプが用意されています。また、マチ部分をナイロンではなくピッグスエードにしたモデル(6300円)もあって、そちらは、焦げ茶にベージュ、白にライトグレー、黒にライトグレー、コニャックにベージュ、エメラルドグリーンにライトグレー、ブルーにライトグレーと豊富に揃っています。
直径もそれなりにあるため、筆記具以外の、消しゴムやクリップといった小物の収納にも向いています。また、比較的長いペンにも対応するので、入れる筆記具を選びません。また円柱状というのは、持っていて、不思議と心安らぐというか、ちょっとした安心感があります。何本もの筆記具を持ち歩きたい方には文句無くオススメ出来るペンケースだと思うのです。ちょっとしたスケッチなどをする時に、色鉛筆などを収納するのにも良いですね。
<関連リンク>
・m+のペンケース「ROTOLO」の購入はスタイルストアで
・m+主宰、デザイナー村上雄一郎氏のブログ
・m+の機能的なウォレット「MILLEFOGLIE」のガイド記事はこちら
・小型の巻物風ペンケース、cyproduct「ペンケース紐」(3,675円)のガイド記事はこちら
・ペンを2本だけ厳選して持ち歩く、YMSK「ペンホルダー・イエロー」(3,675円)のガイド記事はこちら