無いものは自分で作るしかないのかも
オーソドキシー「新書版用牛革ブックカバー」
参考価格:約45000円前後 |
新書サイズのブックカバーに良いものが少ないというのが始まりでした。ミステリやマンガが好きなガイド納富としては、新書サイズの本を持ち歩く機会が多いのです。しかし、幅が短くて厚いものが多い新書サイズという判型は、鞄の中でページが開きやすく、本の端が折れやすく、とても傷みやすいのです。だから、ブックカバーは必須なのですが、これが本当に無いのです。
文庫本用は色々あるのです。もっとも、それも本当に満足がいくものはありませんでしたが、新書用は選択肢そのものが無いのです。これは、自分で作るしかないかと思いました。コミックスを電車の中で読むのが、そろそろ恥ずかしい年ごろでもありますし、出来れば、単なるブックカバーではなく、ガイド納富が考える理想のブックカバーを作りたいと思ったのです。
最初に考えたのは、鞄の中で本のページとページの間に、他の小物などが挟まってしまわないように、カバーで本を包み込む事が出来ないかということでした。で、表紙側にもベルトを作って、折り返し部分を巻き込む仕掛けを考えてみました。ネットで色々調べたのですが、意外にも、このアイディアはほとんど見られませんでした。後は、栞をつけること、京極夏彦さんや二階堂黎人さんなどの作品のような厚い本に出来るだけ対応する事、折り返し部分に切符や名刺を挟めるポケットを付ける事、などを考えました。
とにかく革の品質が良い「オーソドキシー」さんに発注
相談しながら設計図が作られていく
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オーダーする先は、以前から取材などを通じて、その革の質の良さと、腕の確かさに感銘を受けていた代官山の「オーソドキシー」さんにお願いする事にしました。このオーダーメイドの革製品専門店は、渋い大人のブリーフケースなども実に上手く作る一方で、早くからノートPCケースやPDAケースなどのデジタル機器用の多機能で素晴らしいデザインのケースを作られていました。ブックカバーのような、シンプルでいて細部の仕掛けや縫製が重要になるアイテムをお願いするのに最適だと思ったのです。
また、このお店で使われている革は、それはそれは上質なもので、そのレベルはエルメスなどと比べても引けを取りません。どうせ作るなら、「究極のブックカバー」と呼べるようなものを作りたいと思ったので、革にもこだわりたかったのです。オーソドキシーさんに予約のメールを入れて、まずはスタッフの今野さんと打ち合せです。上の写真は、その時の打ち合せで今野さんに書いていただいた設計図。
表紙、栞などに使う革を選ぶ。中々迷う。
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こちらの要望を伝え、それに対して、どのような形にすれば、その要望が実現できるかを今野さんが図にしていきます。そうやって具体的な形が出来上がっていくので、ぼんやりしたイメージからでもオーダーする事が出来るのが、この「オーソドキシー」の魅力でもあります。今回は、折り返し部分の長さや、ベルトの位置、ポケットの大きさなどを決めるのが打ち合せのポイントでした。最後に、革を選べば、打ち合せ終了。見積もりを出していただいて、実際に作ってもらうかどうかを決めます。このブックカバーの見積もりは、エルメスのブックカバーくらいでした。