小さなもの、精巧なものへの憧憬

MINOX「MINOX LX」
価格:約60000円前後

何故か、昔から今に至るまで、男というものは精巧でメカニカルなものに惹かれる傾向があります。機械式腕時計やアンティークのカメラといったものの人気は、いつの時代も衰えず、例えば、今、機械式腕時計がブームのように言われていますが、実際は、もうずーっと機械式腕時計の魅力は語られ続けていました。オートバイやオーディオへの偏愛も同様です。

ミノックスの小型カメラも、そんな原因不明の男の遺伝子レベルで決まっているような、抗い難い魅力に溢れています。古いスパイ映画などで、ごく当たり前に登場する、ライターほどの大きさの、カチッとボディを伸ばして撮影する小さなカメラは、小さくて薄いデジカメがどれだけ登場しようとも、その魅力が薄れることはありません。



CONTENTS
Page1:伝説のスパイカメラ“ミノックス”
Page2:ガイド愛用モデル「MINOX LX」と基本ツール
Page3:絶対欲しい周辺機器「ペンシル三脚」
Page4:更にミノックスの魅力に迫る!複写機と「ガイドのこだわりチェック」

第二次世界大戦で使われた、伝説のスパイカメラ

1937年(昭和12年)にラトビアの首都リガのVEF社のよって作られたミノックス(この第一号のミノックスは、その生産地から「リガーミノックス」と呼ばれています)は、第二次世界大戦で実際にスパイカメラとして使われたという伝説を持っています。大戦末期にはラトビアはソ連に合併され、そのためミノックスの技術班は西ドイツへ逃れ、戦後は西ドイツでミノックスが作られるようになります。

そんな歴史を持つミノックスは、ホンモノのスパイカメラであること、ボディを伸縮してフィルムを巻き上げる独自のメカニズム、15mm・F3.5のミノックスレンズのサイズに似合わないシャープな画質、金属の質感と操作感の気持ち良さ、カメラとしての機能の高さ、魅力的な周辺機器など、様々な要素もあって、コレクターもいるほどの人気カメラになっています。


小さなボディに秘められた実力

向かって左がピントリング、右がシャッタ-速度リング

このミノックスのカメラは、初代のリガーミノックスから、現行製品であるTLXまで、様々な機種があり、その全てを集めている方も多いようです。凄いのは、既に、14種類ほどのモデルチェンジを繰り返しているミノックスですが、その基本的な部分は、最初のモデルからほとんど変わっていません。最新型との違いは、シャッター速度が2000分の1秒に対応したことと、電動の露出がオートになったことくらいでしょうか。それほど、最初から完成度が高かったわけです。