インクを楽しむならガラスペンが最適

佐瀬工業所「ミニひねり」3,675円(税込)

吸入式の万年筆なら、内部を水洗いするだけで他の色のインクが使えるようになります。しかし、色を替えたい時に素早く替えるという訳にはいきません。また、前に入れていたインクをキレイに洗い流すのは中々面倒です。だからこそ、インクを楽しむなら、付けペンが良いのですが、中でも、ガラスペンは、その使い勝手といい、書き味の面白さといい、モノとしての魅力といい、最適と言って良いでしょう。

ガラスペンは、スタイルストアで売られているフランスなどのヨーロッパ製のものも良いですが、日本のガラスペン開発者「佐々木定次郎」の技術を受継ぐ「佐瀬工業所」のガラスペンがコストパフォーマンスが高くお勧めです。ペン先から軸まで全てガラスの一体型では、「ミニひねり」と呼ばれる、細身で短いガラスペンが価格も手ごろで、造りも美しく、ガラスペンの入門タイプとしてもちょうど良いと思います。

ガラスペンは、ペン先をインク瓶に浸すと、ペン先の筋にインクが吸い上げられる仕組みです。その筋が沢山ついているため、1度インクを付けると、それだけでハガキ1枚程度は楽に書けます(前ページまでの試し書きも全てガラスペンで行っています)。しかも万年筆と違い、ペン先の方向や角度を問わず、どのようなスタイルでもスムーズに文字や絵を書くことが出来ます。暑中見舞いや、大事な人への手紙などに最適のペンだと言えるのです。ペン先を水洗いするだけで、別の色のインクもすぐに使えるので、インクの使い分けにも便利です。

ガイド納富が気に入って使っているガラスペンは、昔ながらのセルロイドの軸の先に、太字、中字、細字のガラスのペン先を付け替えることが出来る「ガラスペン(セル軸セット)」という製品。太さを自由に変えられるのと、軸とペン先3種のセットで1575円と、とてもお得な価格なので気に入っています。しかも、ペン先を軸の中に収納することが出来る小さなギミックも嬉しいポイントです。

佐瀬工業所「ガラスペン(セル軸セット)」1575円

グリップ部分だけが太くなる、古くからのペンの形状も、付けペンの王道という感じで気に入っています。軸がセルロイドでペン先がガラスなので、ペン先に向けての重みが心地よく、「書く」楽しみを感じられるのも良いですね。付けペンで書くと、そういう、西洋習字をやっているような、少しだけ「書」の心得に触れるような気になるのです。

軸の中にペン先を収納できるようになっている

 

ガイド納富の「こだわりチェック」

町の文具屋で買える付けペンとペン先(各500円前後)

「お気に入りのインク+付けペン」という組み合わせは、普段の効率優先の「書く」作業とは明らかに違う「書く」を体験できます。また、仕事で使うにしても、独特も「書く」緊張感を感じることが出来るような気がします。それは、今でも町の文房具屋さんでは、昔ながらの付けペンとペン先が売っていることからも分かります。

また、マンガ家さんなどは、当然のように付けペンで描いている方が多いですし、大事な書類は、保存性の高いブルーブラックのインクで、付けペンで書くという習慣の方も多いようです。そして、付けペンで書くと決めれば、その先には把握できないほどの種類のインクが待っています。また、ペン先も、色々と面白いものがあるようです(ガイド納富は、エッフェル塔の形を模したペン先なんかも見つけました)。

インクも、例えば同じ「ブルー」でも、メーカーによって微妙に色も書き味も違っているので、その中から、自分に合った最高のインクを選ぶ楽しみもあるのです。しかも、インクは、それがモンブランのものでもペリカンのものでも、1瓶が1300円程度。それでいて瓶もラベルもキレイでコレクションの対象にさえなるほどです。とりあえず、今年の暑中見舞いあたりから、付けペンを使って、自分だけの「こだわりのインク」を探してみてはいかがでしょう。


<関連リンク>

ペリカンのインクの購入はこちらから
川窪万年筆店のサイトにある「各メーカーのインク色見本」ページ
万年筆でインクを替えたいなら、ステーショナリーガイドの「万年筆のメインテナンス」を参照してください


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