男のこだわりグッズ/デジタルグッズ・便利グッズ

ぺんてるの「airpen」と日立マクセルの「Penit」 電子ペンのこだわりと実際(2ページ目)

紙に書いたメモが、そのままパソコンのデータとしても保存される「電子ペン」。ぺんてるの「airpen」と日立マクセルの「Penit」という二つの電子ペンを通して、電子ペンの現状と実際を紹介します。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド


紙に秘密がある日立マクセルの「PenIt」

日立マクセル「PenItデジタルペンセット」34,900円(税込)

パソコンにも対応するノートパッドというコンセプトに徹したぺんてるの「airpen」に比べ、日立マクセルの「PenIt」は、ノートを丸ごとパソコンに保存する、というコンセプトで作られています。この「PenIt」で使われている「アノト式」と呼ばれる電子ペンの技術は、特殊な印刷を施したノートに、メモリとカメラを内蔵したペンで書くことで、ノートに印刷された絶対座標を記憶するというシステム。つまり、ノートそのものに秘密があるのです。

「PenIt」で使われるノートは、全面に小さなドットが印刷されています。このドット一つ一つに絶対座標が設定されていて、ペンはその座標を記憶。座標は全ページ違うデータになっているので、例えば、1ページ目を書いた後、15ページ目に書けば、データも15ページ目のデータとして記録されますし、ページを遡って、前に書いた文章の続きを書いたりすると、ちゃんと続きとして、同じページ上のデータとして記録されます。この点がぺんてるの方式との大きな違いです。

紙に秘密があり、ペンに保存するため、「PenIt」ではメモリユニットのようなものが不要です。専用のノートにペンで書くだけなので、はた目には普通にノートに描いているようにしか見えません。ページめくりの度にボタンを押す必要もないので、書いている時も、パソコン用のデータを作っている感じは全くないのが、「PenIt」の大きな特徴でしょう。本当に、普通にノートに書いているだけ、という感じなのです。

見掛けはシンプルだけど中身は多機能

細かいドットが印刷された紙に、専用ペンで書く

1冊のノートを丸ごと一つのストレージと考える、というのが、「PenIt」のコンセプト。つまり、1冊のノートに書いたことは、そのまま、パソコンのデータとなるということです。1枚単位のメモに特化した「airpen」に比べて、こちらは「ノート」という単位が基本。また、ペンの色や太さ、書いた後のデータの扱い、といった操作も、パレットのようなコントロール用の用紙をチェックしてやるだけで設定完了。例えば、赤の点にチェックを入れれば、それ以降、ペンで書く線は赤色としてパソコンデータに記録されていくのです。

単に、ノートにペンで何かを書くというだけのシンプルな構造は、ノートのデザインを選べないとか、黒インクが使えないといった小さな制約はあるものの、すこぶる快適。それでいて、例えば、書いた内容をパソコンに送ると同時に、その内容を指定した宛先にメールするといった操作も、機能シートにチェックを入れていくだけで出来てしまいます。付属するシステム手帳のリフィルになっているメールシートを使えば、メモした内容をあらかじめ指定した宛先に送信するまでを自動的に行ってくれます。

相当便利な「PenIt」ですが、問題もあります。一つは電池の持ちが悪いこと。ペンは、約2時間で使えなくなる上に(もちろん、普通のペンとしては使えますが)、充電式なので急に使えなくなった時は充電器が必要になります。また、せっかくフランスのクレールフォンティーヌ社が、カッコ良いアノト式の座標が印刷されたノートを日本でも発売しているのですが、それらのノートは「PenIt」では使えません。日立マクセルで購入出来る専用のノートは、デザインが普通の大学ノート的で、ちょっと持つ意欲が削がれます。


パソコンに取り込むとこんな感じ。思った以上に鮮明

ガイド納富の「こだわりチェック」

一言で言えば、ぺんてるの「airpen」は、パソコンの周辺機器をメモ帳に取り付ける感じで、日立マクセルの「PenIt」は紙製の無線タブレットを使っている感じです。どちらが優れているという観点では、メモ帳としては「airpen」が、データ保存ツールとしては「PenIt」が優れていると感じました。

それにしても、どちらも、書いてる分には本当に普通にメモにペンで書いているようにしか思えず、本当にデータを保存しているのだろうかと不安になるほどでした。そして、実際にパソコンにデータを取り込んでみると、自分でも驚くくらい、書いたそのままの状態でパソコンに表示されるのです。

まだ、価格は高めなのですが、一度買えばずっと使えるわけですし、「airpen」なら、ロディアなどのメモパッドと組合せることで、メモにこだわりのあるユーザーも納得のメモ管理が可能になります。「Penit」なら、大きなプロジェクトや趣味のための資料などを、ノート単位で紙とデジタルの両方で管理できるようになります。そう考えると、今から、このようなデジタルとアナログを結ぶツールに慣れておくのも良いかも知れない、という気になりますね。


<関連リンク>
ぺんてる「airpen」のページ
ぺんてる「airpen」の購入ページ
日立マクセル「Penit」のページ
日立マクセル「Penit」の購入ぺージ


  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます