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▼ 気軽に古き良きテイストを楽しむ
1940年代以前の、いわゆるアンティークの腕時計は、それがロレックスだろうと軍用だろうと、異様に壊れやすいそうです。現在の腕時計なら、ムーブメントにノボディアックと呼ばれるいわゆる耐震機構がついているので、多少の衝撃で壊れることはありません。しかし、古い時計には、そんな機構は付いていません。だから、ちょっとぶつけたり、20cmくらいの高さから落としただけで壊れてしまうのだそうです。それは、時計の構造がそういうものだったということなので、軍用のものでさえ、すぐに壊れていたということです。
「僕は古い時計が大好きなんですけど、良いモノは高価だし、壊れやすいから取り扱いも難しいんです。だから、普段は怖くて付けられないんですよ。それで、アンティークの腕時計の魅力を気軽に楽しめる腕時計を作ろうと思ったんです」
と語るのは、ヴァーグの代表吉田真幸氏。
ということで、今回は、元々アンティークの時計のバイヤーをやっていた吉田さんが、その目で選んで作った、気軽に古き良きテイストを楽しめる時計の魅力とラインナップを紹介します。
大きな文字盤が特徴的な「SOUSMARIN」
60,900円(税込み) |
▼ パネライの原型を味わえる「SOUSMARIN」
例えば、「SOUSMARIN」と名付けられた時計は、その大きな文字盤と、スイスETA社製4698-1手巻きムーブメントが特徴の、ヴァーグ・オリジナルの味わい深い機械式時計。
この時計は、元々1930年代のイタリア海軍特殊部隊用のダイバーズウオッチをモチーフにしています。そして、その元にした時計というのが、ローレックスのムーブメントが入ったパネライの別注モデルなのだそうです。つまり、古いパネライのデザインの原形になった時計を現代に蘇らせたものだということです。
それを現代に蘇らせるにあたり、吉田さんが考えたのは、なるべくオリジナルにこだわりたいということ。そこで、ムーブメントはETA社に別注。30年代から連綿と続く懐中時計用のムーブメントを使用しています。このムーブメントは、オリジナルのパネライのものと同じ古いままの設計のもの。そこに耐震機構を入れたものを採用したそうです。
この古いパネライがモデル
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30年代から構造は変わらない
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また、ベルトが付く部分の角度を変えて、より腕にフィットするようにするなど、日常的に使えるようにデザインを多少変更。オリジナルはパネライがカルティエに買い取られたこともあり、高騰して最低でも300万円はするらしいのですが、この「SOUSMARIN」は60900円(税込み)。しかも壊れにくい設計です。
これなら、日常的に使える上に、手巻きの機械式時計の味わいも楽しめるし、現代には無い、1930年代のデザインセンスを身近に感じることも出来ます。いかにも大人の男向きのデザインで、着ける人を選びませんが、このセンスは、むしろ50代以上の方が持つことで、より魅力的に見えるような気がします。
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