鞄工房土屋「アルーノブックカバーアリア」5800円
▼ ブックカバーは邪魔?
電車の中や待合室などで、時々、革のブックカバーを使って本を読んでいる人を見かけます。そのたびにカッコいいなあと思っていたのですが、同時に、ブックカバーは読書の邪魔になるだけとも思い、本を読むという行爲にこだわっているからこそ、私は使わないんだと思っていました。

かつては、本がカバンの中で揉みくちゃにされるのが心配でブックカバーをしていました。が、特に気に入ったものも無く、かといって書店でかけてくれる紙のカバーは味気ないし、本を買うときにレジで時間をとられるのもイヤでした。そこでデザインが良いフライヤーをブックカバー代わりに使っていました。いちいちフライヤーを切ったり貼ったりするので、作業は面倒だし、所詮は紙だから、すぐボロボロになるのですが、それでも本は守れます。見た目も、まあ自分が選んだフライヤーだからと納得していました。

そんなブックカバーが、本を保護するためだけのものではなかったことに気づかせてくれたのが、鞄工房土屋「アルーノ ブックカバーアリア」でした。この鞄工房土屋というカバンやランドセルを製作販売しているショップの製品を購入するに当たって、その革の具合を確かめてみたいと思ったのが購入の直接の動機だったのですが、実際に使ってみて驚きました。

手にしっとりと吸い付くような革の感触と、まったく本を読む邪魔にならない柔らかさに、いつまでも、この本を読んでいたいと思ってしまったのです。
丁寧にタンニンでなめされた柔らかい風合いのプルアップレザー 角の縫製もしっかりしていて、安心感がある使い心地

▼ 本を持つ喜びが増すブックカバーもある
しっかりと本をカバーしてくれる上に、その本をずっと持触っていたいと思わせる革の感触が加わります。その感触の良さのせいか、持っている本が軽く感じられるほどです。さらに、裏側見返し部分やブックマーク代わりの紐にはヌメ革が採用され、表面とはまた風合いが違った表情を見せてくれます。裏地はすべりの良い合皮で、本の出し入れもスムーズ。

左側は折り返しになっていて、かなり厚い本(約900ページまでは大丈夫)にも対応するフレキシブルさ。あの京極夏彦氏の京極堂シリーズ(講談社文庫)でも「姑獲鳥の夏」「塗仏の宴 宴の支度」あたりまでなら十分にカバーしてくれます。

文庫サイズしか無いのが残念で、思わず新書サイズをリクエストしてしまいました(今のところ予定は無いそうですが、考えてみてくれるそうです)。

色は明るいサンセットオレンジと、シックなカフェブラウンの二色。より柔らかい手触りのカフェブラウンの方が、私の手にはしっくりきます。二、三冊読んだだけで、まるで、ずっと昔から使っていたような風合いに見えるプルレザー素材の質感が、このブックカバーの魅力の秘密のようです。

今日も外出前に、持ち出す本を探したのですが、つい、このブックカバーを使いたいあまり、出来れば文庫本から選びたいと思ってしまうのでした。



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