奇才、アランのもたらした2つの時計

ikrono(アイクロノ)
アラン・シルベスタイン ikrono(アイクロノ)
自動巻き、チタンケース(ブラックPVD加工)
147万円

11月はじめ、アラン・シルベスタインが新作を携えて来日した。20年以上にわたり、時計デザインに独創的な才能を発揮してきた彼の最新作は、名付けて「ikrono(アイクロノ)」。クラシックカーのダッシュボードウォッチから発想されたこのモデルは、スポーツウォッチとしては「マリン」以来の新しい試み。代表作の「クロノバウハウス」に、「マリン」とこのモデルを加えて、「トリロジー(三部作)が完成した」という。

「ikrono(アイクロノ)」の特徴は、時計本体とバックケースの間にストラップを挟み込む方式になった、3重構造の角形ケースにある。ケースを固定するスクリューは専用レンチで外すことができ、自分の手でストラップを取り付けたり、あるいは交換したりできるので、じつに楽しい。正方形ケースと丸い文字盤の組み合わせや、ブルー、レッド、イエローの鮮やかなカラーリングは、幾何学の基本的な3つのフォルムと3原色で時計のデザインを完成させるアラン・シルベスタインならではの世界。正確に1/5秒が計測できる副尺クロノ秒針も機能として興味深い。

HM2.2(オロロジカル・マシーン2.2)
HM2.2(オロロジカル・マシーン2.2)
自動巻き、チタンケース(ブラックPVD加工)
価格未定

今回は、もう一つの嬉しいニュースがある。革新的なコンセプトの時計で知られるMB&F(マキシミリアン・ブッサー&フレンズ)とアラン・シルベスタインが共作した「HM2.2(オロロジカル・マシーン2.2)」が、日本で初公開されたことだ。同じくこの時計を携えて来日したマキシミリアン・ブッサーは、20年も前からアラン・シルベスタインの創作に注目していたという。

オリジナルの「HM2」は、長方形ケースの上に丸いドーム状の表示部が二つ突出する「ツイン・ポートホール」を特徴とするSF的なデザインのものだが、アラン・シルベスタインは、まったく別のイメージに仕上げた。「ブラックボックス」と形容するように、黒いフラットな蓋ですっぽり覆い、彼の紛れもないしるしである、幾何学モチーフと色で彩った。彼は、昔のミニチュア・ボックスカメラとバウハウスの理念を重ね合わせたという。誰もが予想しなかったコラボとはいえ、二人をよく知る者にとっては、必然的な結び付きを感じざるを得ない。


【問い合わせ先】
モントレソルマーレ TEL03-3833-4211(アラン・シルベスタイン ikrono)
アワーグラス銀座店 TEL03-5537-7888 (HM2.2)

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。