男の腕時計/スイスの老舗高級ブランド

オープンダイヤルが魅力を放つエポスの新作

毎年、本格機械式と手頃価格を両立させた多彩な新作を展開して人気のエポス。今年の注目は、デザインに磨きのかかったオープンダイヤルの限定モデル。最大の目玉は、90万円を切る「ファイブミニッツリピーター」だ。

執筆者:菅原 茂

ライバルも認めるクオリティ

ファイブミニッツリピーター リミテッドエディション
ファイブミニッツリピーター リミテッドエディション
自動巻き、ステンレススティールケース(直径42.5mm)
88万2000円(世界限定200本)

1983年に創業したスイスのエポスは、機械式時計を専門にするブランドだが、OEMも得意としていたメーカーである。OEMとは“相手先商標製品製造” のこと。つまり、実際はエポスが製造した時計が、市場では相手先のブランドの商品として販売されるわけである。裏を返せば、エポスは、それだけ時計づくりに精通した実力者だともいえる。実際、2004年にはドイツの時計専門誌として権威を誇る『ウーレン』で金賞を受賞している。日本ではまだ知名度がそれほど高くないが、多彩なデザイン展開や手頃な価格で着実にファンを獲得している。

今年は、まさに「ワザあり!」の秀作が限定モデルとして発表された。オープンワークの洗練された文字盤からムーブメントの魅力を伝える3点を紹介したい。

まずは「ファイブミニッツリピーターリミテッドエディション」。ファイブミニッツリピーターとは、1時間・5分の単位に分けて時刻を音で告げるコンプリケ-ション。1分単位まで細分化したミニッツリピーターは、機械式複雑時計の中でも最高級品に属し、数千万はするのがふつう。その簡略版ともいえるファイブミニッツリピーターは、これまでいくつかのブランドから発表されてきたが、いずれも数は少なく、価格も手頃とは程遠いものばかりだった。エポスのこのモデルは、88万2000円と驚きの価格。

ファイブミニッツリピーター リミテッドエディション
ファイブミニッツリピーター リミテッドエディション
自動巻き、ステンレススティールケース(直径42.5mm)
88万2000円(世界限定200本)

今回の「ファイブミニッツリピーター」は、装いを改めての再登場だが、なんといってもデザインが素晴らしい。オープンワークの文字盤からは、地板をカットしたムーブメントが姿を見せ、リピーターの要となる時間取り機構やガバナー、ハンマーなどが露出している。リピーターの精巧な機構と動作が文字盤から見えるのは贅沢な楽しみだ。

立体的なインデックスやモダンなスタイルの針、地板のペルラージュ装飾など、細部まで凝らされた仕上げも特筆すべきものがある。高品質の316Lステンレススティールを使ったケースの流れるような造形もエレガントで美しい。このモデルは「アートワークコレクション」に属し、その名の通り、芸術的な職人技を発揮した入魂の作である。繰り返すが、ここまで手がかかっていて88万2000円。世界限定200本なので、コレクターズアイテムになるのは必至だろう。
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