男の腕時計/スイスの老舗高級ブランド

フランク・ミュラー「フリーダム」の新機軸

フランク・ミュラーの完全自社製自動巻きクロノグラフ・ムーブメントを搭載した話題の「フリーダム」がいよいよ登場。サイズも小さく、シンプルなラウンドケースのこのモデル。新しい流れを生む象徴的な時計か。

執筆者:菅原 茂

フランクミュラー フリーダム
フリーダム
自動巻き、ホワイトゴールドケース、クロコダイルストラップ
価格未定、発売時期未定

2年前の初夏、時計専門誌『クロノス』の取材でジュネーブ郊外にあるフランク・ミュラー・ウォッチランドを訪ねた。目的は「フリーダム」に搭載される新型クロノグラフ・ムーブメントFM3210を実際に分解しながら、設計者のピエール・ミシェル・ゴレイ氏から詳細に説明をうかがうというものだった。

このムーブメントの特徴である独特の垂直クラッチによるクロノグラフのカップリング機構や、風変わりな双方向巻き上げ機構は、もちろん興味深いものではあったが、それにも増して印象的だったのは、クロノグラフとしてはキャリバー径が25.60mmと比較的小型で、「フリーダム」のケース径もまた40mmを下回っていた点である。

今は40mmを大幅に超えるケースが主流で、フランク・ミュラーにおいてもビッグサイズのモデルが目白押しの中で、バランスの良いコンパクトな設計にしたのは、将来の応用も視野に入れてのことだろう。それにしても、あらゆるコンプリケ-ションを制覇したフランク・ミュラーにとって、これが初の完全自社製自動巻きクロノグラフ・ムーブメントであると聞けば、誰もが驚くに違いない。

フランクミュラー ホワイトゴールドケース
ホワイトゴールドケースのほか、ピンクゴールドケース
(写真右/価格未定、今秋発売予定)も用意する。全モデルともケース径は39mm。フランク・ミュラー初の完全自社製自動巻きクロノグラフムーブメントを搭載する

さて、今年1月に開催されたフランク・ミュラー・グループの時計展示会W.P.H.H.で、まさに満を持してデビューを果たした「フリーダム」。FM3210の開発プロジェクトがスタートしてからじつに5年を経て発表にこぎつけた労作である。

ラウンドケースや、スモールセコンドと30分計のみを備えるシンプルさは、腕時計初期のクロノグラフの雰囲気さえ感じさせる。39mmという、大きすぎず小さくもないという絶妙なサイズといい、原点に戻って再スタートといった感じを抱かせる。時計好きなら、そこにまた新鮮な魅力を発見するはずだ。

ちなみに、このクロノグラフは、リセットと再スタートがワンプッシュで行えるフライバック機能も備えている。


【問い合わせ先】
フランク・ミュラー東京(フランク・ミュラージャパン)
TEL:03-3549-1949
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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