男の腕時計/時計関連情報

独特の世界に深みを増すブルーの時計(3ページ目)

ドイツ出身の時計師ベルナルド・レデラーがスイスに創設した個人ブランドの「ブルー」。その魅力はレデラーならではの一味異なる発想や技術。最新コレクションから、ユニークな「ブルー」の世界を紹介。

執筆者:菅原 茂

コンテンポラリーなデザインの追求

ヌーシャテル近郊に設けられた新しい自社工房の整備も進み、コンセプトの段階から製造、仕上げまで全段階が社内で行えるようになった。その成果は、完全手作りによる先のトゥールビヨンをはじめ、さまざまな新作によく表れている。また機構のみならず、「時代に合ったデザイン」を追求するコンテンポラリーなデザインにも一段と磨きがかかった。

「ブルー・デュエット」は、コレクションの中で最もベーシックなモデルだが、ピュアな幾何学ラインで構成されたモダンな文字盤のデザインに加え、12時位置が厚く6時位置が薄いという、人間工学に基づいて装着感を向上させた新しいシェイプのケースも印象的である。

「ブルー・テルツェット」「ブルー・カルテット」
左:「ブルー・テルツェット」。時・分・日付の3表示を備えるレギュレータータイプの時計。自動巻き。ローズゴールド・ケース(39mm)。295万500円。右:「ブルー・カルテット」。時・分・表・日付の4表示を備えるレギュレータータイプの時計。自動巻き。ステンレススティール・ケース(39mm)。143万8500円

「ブルー・テルツェット」は、時針と分針の軸が独立した、いわゆる「レギュレーター」スタイルの時計だが、これもまたモダンな幾何学デザインで描かれた4層から成る立体的な文字盤が斬新。天体の軌道を思わせる目盛りリングと回転する針がまるで宙に浮いているように見えるからおもしろい。

「ブルー・カルテット」も、一見すると「ブルー・テルツェット」同様にレギュレーター・スタイルを思わせる文字盤だが、時刻表示の方式はまったく異なる。12時位置に時間ダイヤル、センターに秒針を配し、6時位置の分表示はレトログラード方式になっている。このモデルも立体的に仕上げられた文字盤がユニーク。またこの時計には、興味深い機能がある。リューズを反時計回りに回転させると、レトログラードの分針が0の位置で止まり、日付表示もそのままで、時針を好きな位置まで逆戻りさせることができるのである。時差のある地域で使うときに素早く時刻の修正が可能になり、しかもムーブメントを破損する心配もない。よく考えられた機構である。

さて、来年のスイス時計フェアでは、どんな「進化」に出会えるのか、楽しみである。

【問い合わせ先】
平和堂貿易 TEL03-3586-7363
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