ランボルギーニ/ガヤルド

ランボルギーニの変身スーパーレジェーラ(2ページ目)

ランボルギーニガヤルドの軽量スパルタン仕様、スーパーレジェーラにスペインで試乗。スパルタンなだけではないその走りに、ランボルギーニの変身も体感できました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

史上最も良く曲がり、楽しさ前作の2割増し

ランボルギーニガヤルドLP570-4スーパーレジェーラ
空力性能を向上させた、フロントバンパーやテールパイプ一体型のディフューザーを備える。また軽量化のため、リアウィンドシールドとサイドウィンドウ、ベースモデルでは強化ガラス製のエンジンカバーにポリカーボネートを採用。ルーフなどにカーボンが用いられた

「最高速よりもハンドリング重視」という新しいスローガンを掲げたランボルギーニらしく、新型スーパーレジェーラはノーマルよりも数倍、曲がって楽しいクルマになっていた(もっとも、2WDのバレンティーノ・バルボーニという存在が話をややこしくするが。こっちはサーキットでもっと楽しかったりする)。

ランボルギーニガヤルドLP550-2VB
2009年に世界250台限定で販売された、後輪駆動モデルLP550-2VB(バレンティーノ・バルボーニ)
とにかく、よく曲がる。手応えギッシリのダイレクトで素直な前輪の反応はランボルギーニ史上、最良かも。旋回中のフィーリングもきめ細やかで、ただスパルタンなだけのクルマじゃない。前作は、ノイズもレーシーさと受け止めなければならない真性スパルタンモデル(それはそれで面白いのだが)だったが、今回はもう少し大人。それでいて、速さとコーナリングの楽しさは前作の2割増しである。

ダンパーの速度を下げ、スプリングを強くし、前輪用クロスメンバーを追加した。専用開発のタイヤ(ピレリPゼロ・コルサ)も含め、スーパーレジェーラ専用のシャシーセッティングになっている。

オプションのカーボン製大型スポイラーを装着すれば、高速コーナーも超安定した姿勢で駆け抜ける。とにかく、ダウンフォースがよく効いていて、常に路面を感じていられるのが頼もしい。オプションのカーボンブレーキは、サーキットでは心強いパートナーであった。

グラチアーノ製トランスミッションをマネッティマレリのシステムで油圧自動制御するeギアモデルに試乗したが、シフトチェンジのタイミングもスーパーレジェーラ専用のセッティングのように思う。コルサモードでは、ひときわ速く、ダイレクトにシフトチェンジする。

ランボルギーニガヤルドLP570-4スーパーレジェーラ
車名のLP(longitudinale posteriore)は縦置きミドシップ、570は最高出力、4は4WDを意味する。スーパーレジェーラは超軽量のこと。フロントの車高を上げて取り回しを容易にするリフティングシステム、スポイラー下に装着されるリアビューカメラなどの快適装備もオプションで用意する

イタリアはバレルンガサーキットで、初めてガヤルドに乗ったときの感動が、2割以上増幅されて蘇ってきた。あのときは、ツルシでサーキットを走れるというだけで感動したものだった。今、ガヤルドはLP570-4スーパーレジェーラというマシンによって、ツルシでサーキットを“楽しみながら速く”走れるという才能を開花させた。この事実を体験できた人は、ランボルギーニ史の大きなる節目に遭遇できて、ラッキーだと思う。

確かに、ジャーナリストとしては公道でもトライしたかった。その一方で、サーキットドライブですべて満足してしまったいちクルマ好きの自分もいた。午後はあいにくの雨。それでも水しぶきを上げながら、相当な速度でホームストレッチを駆けて行く新型スーパーレジェーラを見たとき、確かにランボルギーニの変身を知ったのだ。

既にアウディ傘下となって10年以上が経つ。創始者フエルッチョの時代よりも長い、長期安定政権となった。基礎開発やデザインなど、研究開発費も大きい。果たして、これからのランボルギーニは、スーパーカーとしてどうなってゆくのだろうのか。

期待して、注意深く見守りたい。
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