メルセデス・ベンツ/メルセデス・ベンツの車種情報・試乗レポート

本質を変えない“新スタンダード”Eクラス

安全・快適・低燃費をコンセプトとした“セダンの新スタンダード”であり続ける、M・ベンツEクラス。その新型(W212)にスペインで試乗、驚くほどフラットで“安楽”そのものな走りを体感しました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

目指され続けてきた安全・快適・低燃費

M・ベンツEクラス
'09年のデトロイトショーで初お披露目された、“セダンのスタンダード”に位置づけられるM・ベンツEクラスの新型となるW212

M・ベンツEクラス
幾何学正常をヒントとした4つの長方形のライトをもつ
第一印象は“えらく立派になった”、というものだった。写真で見たときは、何だか日本か韓国のセダンみたいになってしまったと思ったものだが、実物はもう少しマシ。ディテールの質感も高く、キャラクターラインも凝っていて、なかなか存在感がある。先代W211がずいぶん大人しく、そうとう質素に見えてしまうほど。

いつの時代もセダンの新スタンダードに。Eクラスの目指すところは本質的には全く変わっていない。コンセプトの第一に安全性の向上を掲げつつ、次に快適かつリラックスなドライブを提供することを挙げ、三つ目には時代に即した低燃費を実現する、と言っている。これらは全て、どの世代のEクラスにおいても熟慮されてきた特徴だ。

中でも安全性は歴代Eクラスが常に得意としてきた分野。このW212においても、実に30項目以上にも渡る新装備、新技術が安全性向上に惜しみなく注ぎ込まれている(ただしレーダーを使った技術の日本導入は、もう少し先)。中でも珍しくその効用を実感できた(ESPなど動的性能に関わるもの以外、万が一の装備だから体感できないのがフツウだ)のが、アダプティブ・ハイビーム・アシストだ。

日本でも滅多にない、珍しい夜間試乗。システムを作動し、ハイビームで走ってみる。対向車が見えれば“反対車線分だけ”ロービームになり、先行車に追いつけば勝手にローになる、という風にハイビームを多用するユーザーにはとても具合がいい。ちなみに灯火の基本はハイビーム。ボクも基本はそうだから、自分のクルマに今すぐ付けて欲しいと思った。

広くなった室内空間、新設計新素材のシート、きめ細やかな制御の空調システム、エルゴノミックな機能デザインなどによってドライバーの集中力は、これまで以上に高められる。さらに、よくできたシャシーと優れた空力特性による恐ろしいまでの静粛性が加わって、高速での長距離ドライブをいっそう快適にする。長距離移動の多いユーザーにとっては、新型Eクラスがひとつのスタンダードになるだろう。

燃費向上は、どうか。炭酸ガス排出量抑制に関して言えば、たとえばディーゼルにおけるブルーテックやガソリンの新直噴CGIエンジンなど、M・ベンツの最新エンジンテクノロジーがいよいよ全域にわたって展開された。ディーゼルハイブリッドの導入も近い(Sクラスにはガソリンハイブリッドもある)。

M・ベンツEクラス
アテンション・アシスト、アダプティブメインビーム・アシスト、自動緊急ブレーキなどの先進的な安全技術が採用された。直噴化などにより燃費はこれまでより最大で23%も抑えられている

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