今回は紀伊半島の旅です。紀伊半島は秘境だらけの土地。道幅は狭いのですが、いたるところにワインディングがあってツーリングにはもってこいです。また、渓流が多いので鮎やアマゴなどを素材に用いた川魚料理が豊富。それだけではなく、鹿やキジのジビエ料理も味わうことが可能なんです!紀伊半島を堪能するには、奈良県といってもほぼ和歌山県沿いにある「十津川村」を訪ねてみるのはいかがでしょうか?

フェリーを使って旅情気分を高めよう

伊勢湾フェリー
伊勢湾フェリーで海上を行く。体が休まるだけでなく、旅気分を高めてくれる
まずは渥美半島の突端にある伊良湖岬を目指しましょう。東名高速を浜松で下り、浜名湖を過ぎるまで国道1号線を西へ進み、そこから42号線を走ると到着です。ここから先はフェリーに乗るのがオススメ。伊勢湾を横断して鳥羽へと到着します。フェリーに乗ると旅情がさらに深まり、頭のスイッチを非日常へと切り替えられるのが魅力です。                          

鳥羽からは伊勢自動車道に乗り、勢和多気インターまで。それから42号線で新宮まで海沿いを走り、168号線で紀伊半島の中心部へ向かいます。目指す十津川村はもうすぐそこです。

もっと山懐深い道を走りたい人には、海沿いの道を離れるのがおすすめ。42号線沿いの尾鷹から425号線に移ります。ただ、ほぼ林道といっても良い、幅の細い道を4時間ほど走らなければならない上に、間髪入れずにヘアピンが続くので、これが楽しいと思えるやや上級者向けのルートといえます。途中で出会う渓流や滝などの前で、エンジンを止めて一服すると、心底生き返った気持ちになれます。

十津川村での走り方や楽しみ方

水の世界
秘境と呼ぶに相応しい、濃い緑と豊富な水の世界が広がります
十津川のあたりを走る上で大切なことは、距離が短くても必ず時間に余裕を見て山に入ること。この辺りは林業が盛んなだけに、以前は林道だったところが舗装されて、いくつもの峠を縫うルートで結ばれています。

その山懐の深さは半端ではなく、油断すると道に迷ってしまう可能性があります。地図上で見ると直線距離が10kmでも、実際に走ると曲がりくねった道なので走行距離は60kmなんていう例も珍しくはありません。必ず時間に余裕をみることです。


鹿肉
鹿肉の背中の部分の刺身。意外なほどさっぱりしている
十津川村を楽しむためには、まず観光課に宿の相談などに行くのも手です。十津川も温泉街となると他の観光地とあまり変わらず賑わっています。ここでは北へ10kmほどにある温泉地温泉を紹介していきましょう。

画像名称
定番のアマゴの塩焼き。アツアツが、なんといっても旨い
お目当てのアマゴや鹿肉は、このあたりの宿ならどこでも出される定番メニュー。部屋数の少ない宿でゆっくり温泉でくつろぎたいな、という人には「十津川荘」がおすすめです。部屋数が8つの小さな宿ですが、2つの露天風呂に男女別の内風呂、そして家族風呂もあるという贅沢さ。バイクも屋根のある場所に停めてくれる気遣いが嬉しい宿です。

「十津川荘」の夕食はというと、静けさの中にかすかに聞こえるかじかの鳴き声や川面の音、そして時おり耳に届く鹿の声を聞きながら楽しむことができます。テーブルにはお約束の鹿の刺身にキジ鍋、そして塩焼きと天麩羅にされたアマゴなどの山の幸が並びます。

鹿肉はフランス料理などでも使われるので、都会でも稀に出会う食材ですが、この辺りではいつでも猟師さんから手に入る日常的なもの。その刺身の食感はさっぱりとしていて、この地ならではのものです。

食事と同じくらい楽しめるのが、気さくな旅館の人達との会話。この土地にはじつにゆったりとした時間が流れています。人の温もりが感じられるのが小さな旅館のいいところ。心をほどきに出かけるなら、小規模な店をインターネットなどで検索して、直接電話を掛けて相談するのが良い方法です。

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