LEXUS(レクサス)/LEXUSの車種情報・試乗レビュー

ヨーロッパのその先へ レクサスLS(4ページ目)

今年最も話題のクルマの一台、レクサスLS。そのデザイン、最高級車としての資質は、どんなものだろうか?

執筆者:松本 明彦

屋久杉をイメージしたセンターコンソール

メローホワイトと呼ばれるカラーは、明るいインテリア。

室内に乗り込むと、堂々とした存在感のセンタークラスターがまず目に入る。屋久杉をイメージしたというそのデザインは、フロアから生えてきた太い幹だ。安定感やしっかり感を感じさせる。そして両サイドに並ぶスイッチは、上部右はナビ、左はエアコン、オーディオの呼び出し、下部右はドライバー席温度調整、左はパッセンジャー席温度調整と理論整然としている。しかも上部は左右両席から操作しやすいように正面向き、下部は左右それぞれの席用に左右にねじれている。細かい心配りだ。ドイツ車の階層深く、操作の習熟も必要な発展途上のインターフェイスより、はるかに直感的で操作しやすい。

屋久杉のイメージのセンタークラスター。

インテリア全体では、腰から下半分は人を守る安心感のある硬い直線的な立体造形、上半分は開放感のある柔らかい曲線の造形となっている。シートのレザーは標準でも、十分に柔らかくきめ細かいが、オプションのセミアニリンレザーは、品質の高い原皮の中でも、特に美しいとされるきめ細やかな部位だけを厳選し、コーティング剤には密着性・耐久性にすぐれたアニリン染料を使用。膜厚を大幅に薄くし、コーティング膜を半透明に仕上げ、さらに柔らかくしっとりとした風合いを実現する。そしてドア内張りもレザーで覆われるが、そのS字で切り返されたデザインは、実は人間が座った時の体の形状に沿っている。これも「人中心」の考え方だ。

低反射ペイントと高輝度LEDのオプティロンメーターは、状況に応じて自動的に明るさを制御する。ディスプレイは、実は長方形の一枚ものを、贅沢にもトリミングして見せている。

ヤマハの高い技術で、何度も磨きクリアを吹き完成したウッドトリムは、某ドイツ車のフィルムを被せただけのウッドトリムに差をつける。また木工家具で有名な天童木工が担当するウッドステアリングは、「ウォールナットバール」と呼ばれる米国産クルミの木の根など、3種類の木を原材料とし、実に52の工程を経て、塗装、研磨して仕上げられる。

シートも厚く、快適な乗り心地を約束する。

アッシュトレイ、ドリンクホルダー、グローブボックス、センターコンソールボックスなどの開閉の動きは、実に滑らかで正確だ。そしてその操作感は、見事に統一されている。その動作は最初は速く、最後はゆっくりとなる。これは襖や障子を開け閉めする所作を真似たもの。そしてセンターコンソールボックスの動きは、からくり人形のからくりを参考にしたといわれる。

天井に見える9インチのディスプレイは、オプションのリアシートエンターテインメントシステム。
リアのエアコンの吹き出し口は、センターコンソールリア、Bピラー、ドア上、フロア、そして世界初の天井にも。リアウィンドウのみならずリアドアにも装備される電動サンシェード。S字の切り返しデザインのドアトリムは、人が座った形状に。
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