圧倒的な存在感
大蛇の青木孝憲デザイナー。 |
「フェラーリやランボルギーニと並べても、その存在感は負けません」と青木孝憲デザイナー。 |
「オロチのなまめかしい姿態、躍動する筋肉、鋭い眼光、たとえばフロントフェイスは大蛇の顔そのものです。それは神秘的なイメージで、活き活きとした生命感にあふれ、オーラを放っています」(青木孝憲デザイナー)。ちなみにピットは、蛇の顔につく、赤外線を探知する捕食のために重要な器官のことだ。造形的にショルダーのキャラクターラインのピン角がリアフェンダーではR(曲面)になり、つながらなかったり、プランビューでのフロント、リアの絞込みがもっと欲しいなと気になる点もなくはない。けれどきっとそんなことは、折込済み。異形をぶつけて奇形のような強さを出したり、幅広な顔を見せたかったのだろう。そして何より、その理屈を超えた圧倒的な存在感は凄い。「フェラーリやランボルギーニと並べても、その存在感は負けません」(青木孝憲デザイナー)。そしてこの形を、初期のイメージで貫き通したミツオカと青木デザイナーに敬意を表したい。
ショルダーのキャラクターラインのピン角は、リアフェンダーではRになる。これも異形がぶつかり合う力強さに。 |
実は2001年の発表以来、2003年、2005年、2006年と計4回デザインが変わっている。保安基準に適合させ、安全性に配慮したためだ。ヘッドランプは上に上がり、サイドウイゥンドウも起こされた。 |
エンジンは、トヨタのアメリカ向けSUVハイランダー(日本名クルーガー)のV6 233psのエンジンを積む。日常使いには十分ながら、スーパーカーの刺激的な走りは望めない。とは言っても、テストコースでは最高速度も230km/hをオーバーしている。非日常的な走りを楽しむというよりは、その存在感あるデザインと雰囲気を楽しむオロチ。オロチは、ミツオカ自ら言うように「ファッション スーパーカー」なのだ。
リアミッドシップに積むエンジンは、トヨタ製のV6 3.3L。その後ろには、ラゲッジスペースが。 |
ホイールにも、古事記に登場の8つの頭、尾を持つ蛇の怪物「八俣遠呂智(やまたのおろち)」が。 |