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自転車も実は「車両」の一つ。そこで今回は 自転車のルール~安全な走り方

自転車は歩行者と同じと思っている人が多いのですが、実は「車両」の一つなので、たくさんのルールが決められているのです。そこで今回はそんなルールを知って、安全な走り方を紹介します

執筆者:森山 みずほ




 過ごしやすい季節になり、自転車を使う人も増えています。みなさんは、きちんと自転車に乗れていますか? 自転車なんて乗れるに決まっている!という人は多いはず。でも“ルールに添った”安全な乗り方はできてますか? 
実は自転車は、「車両」の一種。だからルール違反で事故をおこすと道路交通法などに従い、罰則が適用されることもあるし、万一ルール違反が原因で事故を起こしてしまった場合には、損害賠償請求されたケースというのもあるのです。
 近頃では、携帯電話を操作しながら自転車に乗っている人をよく見かけますが、こういった片手操作の運転も禁止されており、道路交通法70条により罰則があるんです。

 そこで今回は、少し自転車のルールについてお話したいと思います。歩行者の通行のジャマをせず、自動車とも共存するためのルールがあるんですね。


●ママチャリでよく見かける、子供の二人乗りは?

実はこれは違反なんです。乗せてもいいのは、幼児用の座席に幼児一人を乗せる場合のみ。たとえ前後に座席を取り付けても、一人しか乗せられません。しかも運転しているのは16歳以上であること。さらにここで言う幼児とは“6歳未満”のことなんです!! それ以上の大きな体型の子を乗せた場合は、やはりバランスを失いやすく、危険だから。もちろん幼児2人を同時に乗せるのも、同じ理由からダメなんです。ご注意あれ。


●どこを走るか?
車道は、クルマが怖くて抵抗がありますが、自転車は歩行者ではなく「車両」の一種なので、原則は車道を走るのです。路側帯があれば路側帯を走行。また走行の際は、左側端走行が原則だし、そのほうが絶対安全。スポーツサイクルなどで速度が出るタイプの自転車で、車道の真ん中を堂々と走っている自転車もたまにいますが、あれも×なんです。(ちなみに自転車もルール上では速度違反はあるんですよ)
 また写真のような「自転車通行可」の標識があれば、歩道を走ることも可能。最近では、この自転車通行可の標識のある歩道も、とても多くなりましたね。でもその際もルールがあり、走るのはあくまでも車道寄りを。でも実際のところ車道寄りを走ると、放置自転車の迷惑さも改めて実感できます。自転車の置き方にも気をつけましょうね。

●歩道を走る際、歩行者に対し危険を知らせるためにベルを鳴らす人がいますが・・・。
 歩道を走る際、ベルをリンリン鳴らし、歩行者をどかして走行するのは×。忘れがちだけど歩道はとにかく歩行者優先。歩行者の通行を妨げそうな時は、自転車が一時停止を。速度もそのため、常に徐行が厳守なんです。


●横断歩道を自転車で走るのは?
 横断歩道の上を走って渡るのNG!「自転車横断帯」がある場合はその部分を、ない場合は道路の左側端(横断歩道の内側)に沿って走行。でも自転車を降りて押していれば、歩行者となるので横断歩道上を渡ってもOKなんです。

●最近の歩道では・・
自転車と歩行者の通行ゾーンが分かれている歩道も少しずつ増えています。自転車通行帯の中では左側通行なんですよ

●車両通行禁止のアーケード内などは
自転車も“通行可”とされていない限りは、通行禁止なんです。どうしてもお買い物などで通行したい場合は、自転車から降りて押して通りましょう。


まだまだ細かいルールはたくさんあるのですが、私達が普段の生活の中で見落としがちなものだけをピックアップしてみました。とくに歩行者を保護しないといけない・・というのは、耳が痛い人も多いのでは?

さて、次は自転車を見かけたクルマ側が注意すべきことです。

●吸い寄せ現象
自転車は視界が狭く、しかもミラーもないから背後の様子がわかりずらいのです。だから脇スレスレを大型車などが突然(に感じるのですが)通ると驚き、なんだか吸い込まれそうで不安になり、余計ふらつくのです。また確認のために振り返ると、振り返った方向にフラつくという特性もあります。とくにお年寄りが乗った自転車はその傾向が強く、注意するためにホーンを鳴らしたら、振り向きざまに余計、車道側に飛び出してきてしまう・・ということも。
そこで、クルマのドライバーは自転車には近づきすぎないようにしましょう。車道を走る自転車がいても、不安を与えない運転を心がけてあげ、安全を確認した上でルールに従って追い抜くように。くれぐれも強くホーンを鳴らして威嚇したりしないでくださいね

●左折
左折車に巻き込まれる自転車事故は本当に多いです。そこで事故を防ぐためには、やはり左側の安全確認は大切。とくに歩行者側の信号が青から赤に変わった瞬間は、無理に横断しようと突進してくれる自転車もいるので、要注意。ちなみに自転車側は左折車がいたら、直進だからとむやみに交差点に進入せずに、手前で一時停止し左折車を先に行かせてから進行!

●駐車車両
都心部に多い路上駐車。しかもドアを開けた瞬間に自転車が・・ということも。路上駐車は論外ですが、パーキングメーターなどに停める場合でも、後方から自転車が来ていたら通りすぎてからドアは開けるようにしましょう。


さて最後になりましたが、安全な乗り方というのもあるんです。意外なこともあるかもしれないので、ちょっと目を通してみてくださいね

●クルマより自転車のほうが止まれない
 自転車は、すぐ止まれる! と思っている人が多いですが、実は同じスピードでクルマとブレーキの制動距離を比較すると、なんと自転車のほうがはるかに止まらないんです。だから過信は禁物。しかも自転車のブレーキは、使っているうちにワイヤーが緩んできて、より止まりにくくなるので、年に1回はお店で点検をしてもらうようにしましょう。


●乗るときは左から乗って・・・・
利き足の違いによって、乗り降りする方向は人それぞれですが、基本は乗るときも降りるときも「左から」。その理由は、自転車は乗降する方向に倒れる性質があるからで、左側から乗降すれば、万一バランスを崩しても車道側(右側)に倒れる危険性が軽減できるわけです

●ブレーキは左手が先
 自転車のブレーキは、左手側のレバーが後輪のみ、右手側のレバーが前輪のみにブレーキをかけるというシステム。そのため急に右のレバーだけを強く握ると、前輪だけにブレーキがかかかり前のめりなるなど転倒しやすくなります。止まる時の基本は、左(後輪側)のブレーキをかけた後、右(前側)のブレーキをかけるように。緊急時は、両手ブレーキを同時に!

●前カゴの荷物にも注意
 バランスが不安定になりやすい自転車は、荷物の積み方も重要。前カゴに乗せる荷物は10KG程度が限度。それ以上のものは前後に分けるように。また逆に後だけに重い荷物を載せるのも、前輪が浮いてしまい、まっすぐ走れなくなり危険なんです! このほか、荷物のヒモが垂れていたり、傘をかけるのも車輪にひっかかって、転倒の原因となるので注意を


駆け足で紹介してきましたが、いかがでしたか? こういったルールを実際に意識して走ってみると、いかに世の中はルールを無視して(知らずに)走っている人が多いかを実感。突然、目の前を横切り斜め横断する自転車に驚いたり、車道では、脇スレスレをすごい速度で走るクルマにヒャッとさせられたり・・。
 自転車も自動車も「自分中心」で走っている人が多いのには驚きます。どちらも優先なんてないんです。お互いが譲り合って、共存すること。それが安全につながるということを忘れないでくださいね
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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