また使い勝手でも配慮が多く、たとえばサードシートの格納を左右の跳ね上げ式にしなかったのも、作業するには力がいて大変だからという理由からで、フロア高が数・高くなるのをわかりつつも、あえてロングスライドレールを入れ、操作性の良いチップアップ&スライド方式を採用。ちなみにこの作業はバックドア側からも操作出来るように後方にもレバーが置かれている(写真の矢印部分)のは良かったです。
実際、シートアレンジの操作はレバーを引くだけの簡単操作。荷物が多くなった時でも一人で、気軽に操作が出来るのはいいです。それにミニバンにありがちな、あっちいったり、こっちいったりしての操作や、逆にレバーが多すぎて、どれがどう動くのか、悩むこともエリシオンではなかったです。
ちなみに2列目を回転させる際も、前席や車内に干渉したりせずにクルッと回ります。これも回転操作の際に、車内にキズが残るのを嫌う女性が多い、という声に応えたものなのだそうです。
ただちょっと優しさが感じられなかったのが、乗降性に関して。乗り降りのしやすさ、がこのクルマの特徴だと言うのですが、実際にはステップ高が高く、お世辞にも乗り降りしやすいとは言えなかったです。開発側としては“ワンステップで乗れること”にこだわったと言うのですが、べつにツーステップでも良いので、ラクに乗れるほうがユーザーはいいです。とくにスカートだったり、子供を抱いていたり、お年寄りが乗ることを考えると、グリップも低い位置にはないことも気になりました。
それとやはりフロア高の高さが気になったのが2列目シートの座り心地。全高が低く、なおかつヘッドクリアランスを確保したいということから、座面位置が低いということもあり、わずかながら膝が持ち上がった感じの座り心地になってしまう。体育座りになる、というほどではないけれどあと、10cm床が低いなり、座面が高いなりすれば、リラックスして乗れるのに・・。大きなシートを採用しているだけに、ちょっと惜しい感じがしました。