最後のディアブロ6.0SEのベースとなる6.0のちょい乗り試乗記を報告しよう。

まずはスペックのおさらい。ミソは、限定販売された史上最強ディアブロであるGTと同じ6LV12エンジンを若干デチューンして搭載する点。それでも最高出力は550ps、最大トルクは63.2kg-mというから正にモンスターだ。このハイパワーを支えるために、全車4輪駆動、すなわちVTモデルとなっている。

試乗したのは、シルバーメタリック、ディーラー車。

乗り方から伝授しよう。カウンタック以来伝統のガルウィングドアを開ける。ドライバーサイドのドアは左手の親指以外でクリップをつかみ、親指でクリップ横のボタンを押すとガバッとドアが上に開く。

右足から入り、お尻を滑り込ませて、左足を畳みながらフロアにおく。一旦座ってしまえば、回りは小渡Rくほどルーミーで、居心地がいい。このモデルから質感のアップは相当なもので、やっと2000万円超の高級車らしくなった。これ以前は、国産スポーツカーよりもダメダメな内装だったから、格段の上質さだ。シートは手動。

エンジンは簡単にかかる。存外に静かだ。V12の細やかな振動がシートから伝わってくる。なかなか心地よい。筆者は身長170cmだが、頭上の空間は拳1個ある。

クラッチの重さは国産GTなみ。R34GT-Rより確実に軽い。パワーステアリングだが、動き始めは相当重め。シートからお尻が浮いてしまう。シートベルトは中央からハの字に生えるタイプだ。

クラクションはごくごくフツウのプファーとう音。あの甲高いエアホンを想像していただけにがっくり。メーターはなんと360km/hまで刻まれている。40km/hの表示がおよそ30度分しかない。すなわち、町中ではほとんど速度計の針が動かない、のだ。

動かすのは極めて簡単だ。軽いクラッチを離してやるだけで、クルマは動き出す。強大なトルクの威力だ。シフトノブはHパターンでけっこうしぶめ。左右、上下ともストロークは長い。

序々にスピードを上げていこう。動き出せば、すべてに軽やかな操作感だ。前方のみ見晴らしもいい。軽快でボディの剛性もあがっているから、クルマの大きさをまったくといっていいほど感じない。

リアの視界はほとんど期待できない。バックはカウンタックリバースという写真のような方法で行う。ドアを上げ、身を乗り出して、足を必死に伸ばして行う。曲芸のようだが、これが一番やりやすいのだから不思議だ。

1速の加速は、ちびるほど速く、2速はお尻がシートに貼り付き、3速はトルクの塊、4速でも国産大排気量車なみの速さだ。速度が増すにつれ乗り心地がよくなってゆく。ちなみに、3速3500回転で100km/hであった。

高速巡航中は、ブロロロロという低音、クォークォーという中音、ジェット機のようにキーンという高音の三重奏で、まるで様式美ヘヴィロック。好きならたまらない、が、嫌うと1分も我慢できないだろう。

全体的に、これ以前のモデルよりクルマとしてまとまっている、のが魅力。これまでは、速度をあげていくにつれクルマが分解しそうな感じ、発散傾向にあったが、6.0はドライバーのお尻にきっちり収束してくれる感がある。

毎日乗ることもできる安心感がある初めてのランボルギーニ、と言えるかもしれない。
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