レクサスになって乗り心地は大きく変わった!
もっとも大きな違いは乗り心地性能の向上だ。ソアラのときにはサスペンションやタイヤを含むいわゆる「バネ下」の動きが大きく伝わりやすかったが、そこがより滑らかに感じるようなものとなっていた。これはおそらくこのSCからモノチューブ構造のダンパーを手に入れたことや、ブッシュ類なども入念にチューニングしたことによるものだろう。今回の試乗会には全色が用意されていた |
一方でハンドリングに関しては大きな変化は感じられなかった。おそらくモノチューブ構造のダンパーが効果して、限界域での姿勢の安定性や操縦性を上げているのだろうが、もともとの車両の性格がそうした部分での良さをあまり感じさせない仕立てなのも実際だ。
特にアクティブステアリングを備えたGSの後に試乗すると、コンベンショナルなステアリング・システムを持ちステアリングそのものも大きめとなるSCでは、操舵がとてもスローに思えるほど。
もちろんこれは通常使用での滑らかさや穏やかさ、そして落ち着きといったラグジュアリーな感覚を生む要素となる。ただそれだけに試乗場所となったワインディングの左右への切り返しなどでは、操舵自体が億劫に感じられるのもまた事実。そこからすると、SCはワインディングをゆったりと流したり、街中や高速を穏やかに走る方が正解といえる。
エクステリアデザインはソアラのマイナーチェンジといったところ |
つまりボディカラーやインテリアカラーの美しさや、それらの品質感をオーナーとして存分に堪能するというのもまたSCならではの魅力と思えたのである。特にボディカラーは実に微妙な色合いのものが複数用意され、8コートのコスモシルバーの他にも、標準で6コートをおごるボディカラーが用意されている。そうした色合いがコボスのデザインによる艶めかしいボディを一層引き立てており、実に魅力的に見せてくれるのだ。またインテリアでは美しい色合いと柔らかな感触を持ったセミアニリンの本革シートのなめらかな風合いを心ゆくまで堪能することもできる。
ただそれだけに残念だったのはメーターやシフトゲートの文字で、これらがGSなどとは別の書体となっていたこと。この辺りもできれば新生レクサスとしての統一を図ってもらいたかったように思える。
鼻先に積まれた4.3LのV8エンジンは相変わらずトヨタ時代からのスムースさと豊かな動力性能を感じさせ、ドライバーの心にじんわりと染み入っていく。屋根を開けてゆったりとワインディングを流していると、こういうゴージャスなオープンカーで旅行などをすれば、さぞ豊かな体験ができるだろうと思えたのだった。