一体感が高く、スポーツ性を増しているにもかかわらず、先代Z3で感じられたしなやか感はキッチリと残されている。先代で感じたラグジュアリーな部分も残っているのである。操作を与えるとビシッとした一体感とスポーツ性を感じさせる一方で、サスペンションそのものは実にしなやかに動き路面をとらえていくのだ。さらにZ4の場合、先代Z3に対して明らかに高いボディ剛性感があるため、単にしなやかといっても、そのレベルはZ3とは比べモノにならないくらいに質が高いものとなっている。

高い一体感とスポーツ性、そしてしなやかさがしっかり残されたラグジュアリー感。これらが実に巧みに融合されて、Z4はそれこそ、どんな走りをしても見事にハマる。例えばワインディングを走らせた時には、非常に爽快な感覚を与え、街中を流しているときには落ち着きあるゆとりを感じさせる。つまりドライバーが気合いを入れた時にはそれにキチンと応えてくれる気持ちよさがあり、一方ドライバーが力を抜いた時にはそれにキチンと応えてくれる気持ちよさがあるのだ。

なんだか当たり前のことのように思えるが、実はそれがキッチリと両立されているオープン2シーターというのは少ない。例えばクラスは若干異なるが、日本のホンダS2000はスポーツ性と一体感は極めて高い。しかし一方で力を抜いて走れる雰囲気がほとんどない。そう、肩に力が入り過ぎているのである。その意味でも、Z4の最大のライバルはやはりキングオブオープン2シーターといえるポルシェ・ボクスターだということが分かる。ボクスターはスポーツ性と一体感が極めて高いにもかかわらず、力を抜けば非常にしなやかで落ち着いた雰囲気がある。これに匹敵するオープン2シーターは、同クラスはもちろん他のクラスでも今まで存在しなかった。しかしZ4を走らせてみると、ついにライバル登場という感じがしたのだった。

そう、Z4は操縦安定性と乗り心地がかなり高いレベルでバランスしたオープン2シーターだった。操縦安定性と乗り心地という、相反する2つの要素を、カッチリしたボディとしなやかなサスペンションで実現している。結果その走りには、そこはかとない「気持ちよさ」が生まれており、その気持ちよさがあるからこそ、どんな場所、どんな速度でも、「ああ、これだ」と思えるような心地よさとして感じられるのである。

さて、走りの印象を書いたところで、ディテールへと話を移していこうと思うが、続きはまたPART IIということで。

Z4試乗PART2はコチラ
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。