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ミシュラン最新スタッドレスを試す その1(2ページ目)

年々進化の著しいスタッドレスタイヤだが、今回は今シーズンのNEWモデルの中でも最も注目なミシュランの最新スタッドレス「X-ICE XI2」について、その最新テクノロジーと実際に試乗した印象などを交えて紹介する。

執筆者:宮島 小次郎

前作を確実に上回る確かな氷上性能を実感!

 氷上テスト
気温や湿度などを一定に保ったテストコースで、XI2の氷上での制動性能と加速性能をテストした
まずは気温などのコンディションが一定に保たれたドームにおいて、スケートリンク並みにツルツルに凍った氷の上での制動性能と加速性能をテストしました。ブレーキングのテストは20km/hから5km/hまでの制動距離を測定するというものでしたが、前作のX-ICEでは制動に約11mの距離が必要だったのに対して、XI2では9mちょっとと距離にして約1.5m、割合としては約15%も制動距離が縮まりました。

実際に車内で感じるフィーリングとしても、明らかに制動Gが強くなったのが感じられましたが、何よりもたった20km/hというスピードでも、これだけの差が出たことに驚きました。距離にすればたったの1.5m? という差ですが、1.5mも手前で止まれれば、ぶつからずに済むというシチュエーションも多いはずです。それに実際に停止するまでの距離で考えると、その差はもっと広がることが予想されます。

加速性能については、5km/hから20km/hまで加速する時間を計測しましたが、その結果はX-ICEが6.3秒掛かったのに対し、XI2では5.4秒と1秒近い短縮を実現しました。もちろん、テストでは電子制御のトラクションコントロールをフルに作動させていますが、このトラクション性能の差は凍結した坂道での登坂性能などに大きく影響してくるはずです。

氷上コース走行テスト
人が歩くのも難しいくらいの氷上に設置されたコースでも、XI2は驚くほどのグリップ性能を見せてくれた
次に屋外に設置された天然のスケートリンクを思わせる氷上に、パイロンで簡易的なコースを設置したシーンでより実践的な走行テストを行いました。とはいってもこのコースも、人間が歩くのも難しいくらいにツルツルなアイス路面です。実際にこれほど路面μが低いのは、交差点手前などで磨かれてツルツルになったミラーバーンくらいのものでしょう。

いかにXI2が高性能といえど、前輪駆動のアウディA4でこのコースを走り切るのは、至難のワザと思われました。実際、スタート時のアクセル操作からブレーキング、そしてコーナリングと全てにおいて超が付くほどの慎重かつデリケートな操作が求められましたが、何とかこのタイトなコースを無事走り切ることができました。

もちろん、現実にはこんな路面はありえませんが、これだけのコンディションでも何とか走り切ることができたという事実には、本当に驚かされました。これならば、凍結路面でのスリップが怖いというユーザーにも本当に頼りになるはずです。スタッドレスの進化は、こうした凍結路面での性能にこそ最も大きく表れるということが実感できました。

次回の記事では、雪道や一般道での試乗など、引き続きXI2のレポートをお届けします。


■関連サイト
日本ミシュランタイヤ株式会社


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