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パンクをドライバーに知らせる機能 タイヤ空気圧警報システム(2ページ目)

タイヤの空気圧低下やパンクは、燃費悪化や摩耗などの経済性だけでなく、操安性低下や交換時の危険などを伴います。これをいち早く知らせてくれるのが、タイヤ空気圧警報システムです

執筆者:高山 則政

空気圧低下を間接的に検知
 ところで最近のトヨタ車では、カローラなどの普及車種クラスにもタイヤ空気圧警報システムが装備されています。これは、ホイール内に空気圧センサーを装着するようなタイプではなく、タイヤの回転数を検出することによって、空気圧の低下を発見するシステムです。私の記憶が正しければ、なのですが初代のスパシオあたりから採用開始となっているようです。
 位置づけとしては、あくまでも日常点検項目であるタイヤ空気圧点検の補助システムとされています。

 このシステムでは、ABSの機構を応用していて、各車輪に装着された車輪速センサーから「走行中」のタイヤの回転数をABSコンピューターに送っています。車速信号に含まれるタイヤの共振周波数の変化をABSコンピューター内のタイヤコンピューターで判定し、その変化をタイヤのねじれ・ばね定数として推定して空気圧を検出します。何やら難しい漢字がしますが、タイヤが柔らかくなったことをホイールの回転から検出するということのようです。このシステムの構成パーツとしては、外気温センサーも含まれて、温度によるタイヤ硬度の変化も推定値の補正として使われているようです。

システムの設定ボタンがある
 このシステムが付いたクルマでは、インパネにタイヤ断面のような警告灯が点いていて、イグニッションスイッチを入れると数秒点灯するようになっていて、通常走行時は消灯します。

 ウォーニングランプが点灯したら、直ちにタイヤ空気圧を点検し指定空気圧に調整します。調整後30Km/h以上で走行するとウォーニングランプが消えます。

 また、タイヤやホイールを交換した時はタイヤ外径が微妙に変わるのでセットスイッチを押して、システムの初期設定を行います。例えば、カローラでは運転席インパネ下にセットボタンが付いています。このボタンは、下向きに付いているので、シートの座面あたりから見上げるようにしないと、すぐには分からないようなところにあります。これは、不意に触らないようにするための配慮でしょう。

パンク検出できない条件
 システムの特性として次の条件では、機能しないことがあります。
●停車中
●指定外サイズのタイヤ、異なるサイズ。種類のタイヤを混ぜて装着している時。
●4輪の中に、他と摩耗程度(溝深さ)の違うタイヤがある時。
●応急用タイヤ、スタッドレス、スノータイヤ使用時。タイヤチェーン装着時。
●指定空気圧より極端に高い空気圧のタイヤを装着時、走行中のバーストなどで急に空気圧が低下した時。
●極端に荒れた路面や、凍結路などの滑りやすい路面を走行している時

 このシステムが付いたクルマもかなり多いと思いますが、装着車のオーナーはクルマの取扱説明書と見比べながらボタンの位置などを確認してみてください。
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