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タイヤで分かる足回りの調子

クルマの走りを支えている重要なパーツがタイヤですよね。言うまでもないことですけど、クルマの車重が掛かかり唯一路面と接点のあるパーツなんですから。

執筆者:高山 則政

文章 : 高山則政(All About Japan「カーメンテナンス」旧ガイド)

空気圧を適正にするのが基本

正常な状態なら、路面と接するトレッド面が均一に減っていきますが、どこかが極端に早く減るというのを偏摩耗と呼んでいます。偏摩耗の症状には色々あって、その原因も複雑です。まず、タイヤのエアが正常かをチェックします。一般的にはエア圧が低いとトレッドの外側(両端といった方が良いでしょうか)が減ります。逆に高すぎると、真ん中が先に減るようになります。自転車のタイヤの減り方を想像してもらえば良いと思います。規定のエア圧は運転席側のドアやピラーにラベルが貼ってあることが多いので、知らない人は一度チェックしておきたいものですが、乗用車で2キロ前後が標準です。

タイヤサイズと車重の関係もあるので、一概には言えませんが、一目で減っているのが分かるようだと相当減っていることが多いものです。こうなると、タイヤの変形が多くなるので燃費が悪くなり、コーナリング性能も落ち、発熱も増えるのでタイヤ寿命を縮める原因になります。最悪の場合は、高速走行時のスタンディングウェーブ現象でバースト(破裂)事故につながると言われています。できれば、エアゲージ(カーショップで売っている500円前後のもので十分)で、月に一度くらい計っておくのが良いでしょう。ホイールを純正の範囲を超えてインチアップしてタイヤの扁平率が下がる場合は、空気量が減るので規定値より高めに設定するのがセオリーです。

エアといえば、最近では窒素ガスを入れるのが流行っていて、その効能の1つにエアの減少が少ないと言うのがあります。これについては、「効く」「分からない」「市販車レベルで効くはずがない」など色んな意見があります。私自身は、やったことがないので何ともコメントできないのが悔しいところです。

空気圧以外の偏摩耗もあり

エアが正常でも、タイヤが正常に減るとは限りません。典型的なのは、トレッドの内側や外側が極端に減ってしまうものです。特に内減りの場合は、パッと見では分からないこともあるので、タイヤの正面からチェックすることが大切です。つい先日、真ん中から外側にかけては溝があるのに、内側はワイヤーが露出しているというのを見かけましたが、こちらがゾッとしてしまいました。

このような偏摩耗の場合は、アライメントが狂っている可能性があります。カーショップやタイヤ屋さんで4輪アライメント測定などと看板がでている、あれです。アライメント(alignment)というのは、一直線にする、整列、並んだ列などの意味ですが、クルマの足周りで使う場合は、タイヤの取り付けている角度のことを指しています。主に登場する角度は、トー、キャスター、キャンバーの3要素です。これらは、直進性、操縦安定性、タイヤ摩耗などと密接な関係があり、それぞれの車種で最適な角度が決められています。でも、縁石にヒットしたり、長年の使用によって微妙に狂うこともあります。なかには、新車から狂っている例もあると聞きます。なお、スプリングの変更などで車高を下げた場合はアライメントも変化しているので、交換時点で適正値に直すことが大切です。
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