おもちゃっぽい。誰が見たってこのデザインはプラモデルだろう。しかし中身を作ったのはかのメルセデスベンツ軍団だというから、性能保証はばっちりである。ブランド力とはすばらしい。これが某国某弱小メーカー生まれと聞いたら、見向く人はほとんどいないと思う。
小さくて「え?」というコンセプトで登場したスマート。しかしやはり二人乗りには限界があったのか、今度は4人乗りが登場した。以前、二人乗りは「スマート・クーペ」と呼んでいたのに、この「forfour」が登場したらあちらも「fortwo」と名前まで変えてきた。これは最初からの戦略なのか、それとも苦肉の策なのか。聞こえてくるのは後者みたいだけれど、ま、うちわ話はどうでもいいか。
デザインはご覧の宇宙的イメージ。載せられたエンジンは1・3Lと1・5L。どこから見ても目立つ目立つ。特に色。枠組みとボディパネルの色が大胆に違うから、これがプラモデルイメージを大きくふくらませている。
後ろ姿に漂うテールランプの遊び心もなかなかのもので、ここまでやるとふつう大人は手が出しづらい印象になるのに、なんだか妙に存在感があって、昔少年少女の年代にも大いにアピールしてくる。やはりこれもブランド力のなせるワザなのか。
ただ、昔少年少女は外観の「遊び心」には納得できても、インテリアの質感のなさにはちょっとがっかりかも。スマートクーペ、改め、fortwo にもいえることだけれど、運転席回りのデザインやアイディアはともかくとして、シフトレバーやエアコンの吹き出し口の質を、もう少しなんとかして欲しい。
できないはずはないのだ。なんたってかのメルセデスベンツを作っているメーカーなのだから。これでインテリアがもうちょい、上質になってくれたら、ずいぶん違うんじゃないだろうか。
ラゲッジはご覧のとおり。リアシートは分割で倒れてくれるので荷物スペースの大きさは調整が可能。ついでにリアシートは前後にスライドするから、荷物と人の数に応じてアレンジもできる。
走った印象は異次元ピーキー。これはもうスマート独特の乗り心地。足がちょっと固くて、ハンドルへの反応もきちんとしていて、エンジンはそれなりにトルクがある。でもATは(機構的にはMTだが、便宜上ATと説明しておこう)シフトアップするときに一瞬、息継ぎをするような仕草をみせる。もっとも飛ばさなければあまり気にならないのだが。飛ばしがちにしゃきしゃき走りたい人はマニュアルモードもあるので、そちらにして走ることをお勧めする。
カタチも走りもマイペースでマイウェイなクルマ。自分をしっかりと持っている人じゃないと走りもデザインも乗りこなせないのでご注意を。
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