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MPVの着実な進化に感心(3ページ目)

大型ミニバンのMPVがマイチェン。化粧直しという小手先の変更ではなく、足まわりやATにも手を入れてより上質な乗り心地になったのが大きなニュースだ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

大人4人+子供2人が快適

シート
一番快適な2列目席は、オットマンを出してリラックスできるのが魅力だ。助手席側からの横スライドに加えて、運転席側からも横スライドが可能に
装備では2列目のスーパーリラックスシートが変更され、前後のスライド量を拡大するとともに、運転席側からも横スライドができるようになった。座面角度調整機能やヘッドレストのスイング機構の追加、角度調整付きオットマンによる座り心地は、新幹線のグリーン車のように快適だ。3列目に乗員がいなければ、170cmのレポーターでドラポジを取るとその後ろではゆったり足を組める。また、エアコンに松下電工が開発した「ナノイー イオン」を採用するなど、車内環境も改善している。

弱点はないか

ラゲッジ
3列目は背もたれを前に倒すことで、ステーションワゴンのようなフラットな荷室を生み出せる。ゲートにはイージークロージャーがオプション設定される
荷室の使い勝手も含めて、大きな欠点は見あたらないMPVだが、マイナー前から改善されていないのが、セカンドシートの前後スライドレバーの位置。リクライニングに加えて、横スライドやオットマン用など操作レバーが増えてしまうのは分かるが、シートの中央下側にあるために車外からだけでなく、座っていても腰を折らないと操作できない。使用頻度ではスライドが上位に来るのは、私だけだろうか。自慢のオットマンも近所のファミレスに行くくらいなら使わないほうが乗り降りも楽だし、3列目に座る人のためにちょっと前に、という操作でも煩わしい。

また、定員8名のMPVは「大人6人がゆったりと快適に移動できる」と謳うが、3列目はフロアがやや高く、いわゆる体育座りに近い姿勢になる。シートの背もたれも座面も短めのため、快適とまではいかない。ただ、非常用としては十分といえる3列目の空間なので、大柄の大人2人が座って片道200kmドライブでもなければ十分に使えるし、160cmくらいの方であれば大きな不満も上がらないかもしれない。

わずか2日間の試乗だが、乗り心地や走りの面で1段も2段もステップアップを果たしているのは実感できた。エスティマやグランディスもよくできているが、ハンコを押す前にMPVに乗ってみるのは大いに「あり」だと思う。


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