もう少し落ち着きがほしい
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どことなくハマーの影響を感じさせるサイドビュー。窓は小さめだが圧迫感はほとんどない |
試乗したのは1.8L+2WDと2.0L+4WD。2台の比較でしかないが結論からいえば1.8Lでも十分。4WDよりも軽く感じるし、クロスロードの外観イメージとマッチする若々しさを感じる。値段も安い。2.0L+4WDもかったるいわけではなく、スムーズで静かな5ATのおかげでストレスなく走れる。ただ、時速60キロ+アルファ程度の街中、郊外ではプラス200ccのメリットを明確には感じられなかった。
静粛性は高い。ロードノイズ、風切り音、エンジン音などで気になる点はない。逆に言えばもう少しスポーティなエンジン音でもあれば、ホンダらしいスポーティさを実感できるのにとも感じた。マイナス的な印象であったのが、落ち着きのない乗り心地。試乗した両モデルとも「ヒョコヒョコ」する。ボディの剛性感は十分にあるのにも関わらず、軽く上下に揺すられる感じがあるのだ。全長が短く走行距離もまだ短いとはいえ、もう少ししっとりした味が欲しい。荷物を積み、乗員が増えれば印象が変わるかもしれないが。
オール4の優等生
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床に平らにたためる3列目席は2列目席の7掛けくらいのサイズ。165cmくらいまでなら1時間程度の乗車もさほど苦にならないはず |
ホンダは、SUVはもちろんミニバンであっても体育「5」を目ざし、ほかの教科はやや疎かという面があるのが否めなかった。しかし、クロスロードは体育「5」のストリームから一転、オール「4」の優等生SUVに仕上がっている。デザインコンシャスな外観に関わらず、1&2列目の居住性は高いし、3列目も165cmくらいまでであれば意外と「座れて」、四角いフォルムなので積載性も高い。イザとなればアウトドアでも使い倒せる、等身大サイズの普段使い系SUVだ。個人的には上手にまとまり過ぎている印象で、商品イメージを高める飛び道具的な強い個性が欲しくも感じた。欲張りすぎだろうか。
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