MITSUBISHI(三菱自動車)/三菱

確かな基本性能が光る「デリカD:5」(3ページ目)

タフなSUV系ミニバンといったイメージを打ち出した「デリカD:5」。悪路走破性やSUVテイストだけが5世代目デリカの魅力ではない。ミニバンとしての資質は高く、オンロードでの走りは意外なほど軽快だ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド


シートの出来は及第点

3列目シート
サードシートのスペースは十分。足もとにはやや段差がある。頭上はタテにコブシ1つ程度。背もたれの天地方向にもう少し余裕が欲しいが、収納性を考慮した結果だろう
厚みのあるシートは短時間の乗車なので断言はできないが、1/2列目の座り心地に関しては平均点を十分クリア。2列目の背もたれの天地がもう少し長いとベターだ。サードシートは床下が2列目よりも高くなっており、段差もあるため「足の置き心地」が今ひとつ。太ももが浮いてしまう。頭上にコブシ1つ程度の余裕に加え、背もたれの天地が短いのと厚みが控えめな以外、サイズ自体は頑張っているだけに少々残念だ。

3列目は左右跳ね上げ式とし、荷室容量が大きく取れる方法を採用する。2列目もダブルフォールディングするので、フルサイズ26インチのMTBもタイヤをはずさずに収納できる。アウトドアはもちろん、ホームセンターで長尺モノや大きな観葉植物を買っても収まる荷室高を確保している。

見どころは4WDだけではない

2列目シートのウォークイン機構を使った後に、セカンドシートの座面が元に戻しにくいことや、センターパネルの見た目、触感がもの足らないなど、細部の煮詰めが甘い点も散見されたものの、全体の完成度はかなり高い。なにより乗り心地を含めた走りに関しては、アルファードやエルグランド、エスティマやMPVといった巨艦ミニバン達にひけを取らないどころか、上回っている部分もある。

自慢の4WDや高い地上高による走破性は、イザというときに頼る助っ人くらいに考えても日常使いのミニバンとして選択する価値は十分にある。「多様な走行環境下で、多くの乗員を安全に目的地まで運ぶ」というのが、デリカのアイデンティティと主張するが「快適に」というキーワードを付けても過剰な自己主張ではないだろう。

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