チームを知ることでSUPER GTがさらに面白くなる!
今年もレースシーズンの開幕が迫ってきました。日本の国内レースで最初に開催されるビッグレースは3月20日、21日の両日、三重県・鈴鹿サーキットで開催される「SUPER GT」の開幕戦「鈴鹿GT300kmレース」です。SUPER GTのGT500クラス 【写真提供:SUPER GT.net】 |
ましてや「SUPER GT」では車名とチーム名が異なり、しかもチーム名が長いせいで、テレビやサーキット場内の実況放送、または雑誌などではチーム名が略されることもしばしばあります。それに「SUPER GT」の歴史は全日本GT選手権時代から数えると15年以上になりますので、ファンの知識もかなりレベルアップしてきていますし、最近はこれまでチームが歩んできた歴史や成長の背景があまり語られなくなってきているのも事実です。
今回は2010年シーズンの開幕を前に「GT500」クラスのチームをビギナーにも分かりやすくご紹介していきたいと思います。お気に入りの選手が所属するチームはどんなチームなのか?その強さの秘密は?「SUPER GT」はチームを知ることでさらに面白さが倍増します!
※2010年2月22日発表のエントリーリストを基に作成。
※ランキングはドライバーズランキングのチーム最上位
※写真のマシンは2月テスト時の暫定カラーリングです。
童夢=ホンダ系の実質的ワークスチーム
Car No. 「18」マシン名 「ウイダー HSV-010」
チーム名 「ウイダー・ホンダ・レーシング」
タイヤ:ブリヂストン
ドライバー:小暮卓史/ロイック・デュバル
略称 「18号車」「童夢」「ウイダー?」
HSV-010 GT (18号車) |
では、その「童夢」というチームはどんなチームなのでしょうか?
「童夢」は京都で、林みのる氏が1975年に創業したレーシングカー製造会社(コンストラクター)です。かつては「トヨタ」と組んでル・マン24時間レースに挑戦したり、F3000のオリジナルシャシーを走らせたり、F1への挑戦を試みたりと、「DOME」は世界的にも名の知れたレーシングカーメーカーです。
ホンダが全日本GT選手権に「NSX」を出場させた際、車体の設計を担当したのが「童夢」です。それ以来、NSXの車体、空力は主に「童夢」の手によって作られてきました。そして、今回のニューマシン「ホンダHSV-010 GT」も同じく「童夢」が多くに関わっています。
実は「株式会社 童夢」は滋賀県・米原市に巨大な風洞実験施設を所有していて、同社は日本の空力研究においてのトップ企業といえますし、レーシングカーのパーツに多用されるカーボン(炭素繊維)を使用した複合素材の分野は特に有名で、レーシングカーという枠を超えたあらゆるフィールドで「童夢」のカーボン技術が活躍しています。
そんな高い技術をもつ「童夢」が手がけた新車ですから、「HSV」の活躍は大いに期待ができますね。昨年までのNSXはミッドシップレイアウト(MR)のマシンで様々なハンデが多かったのですが、「HSV」は他のマシンと同じFRレイアウトですし、ドライバビリティにも優れているようなので、今年こそは素晴らしい活躍をしてくれるでしょう。
昨年、「童夢」が走らせたROCK STAR童夢NSX 【写真提供:本田技研工業】 |
2007年「TAKATA童夢NSX」シリーズ4位
2008年「TAKATA童夢NSX」シリーズ6位
2009年「ROCKSTAR 童夢NSX」シリーズ6位
次のページでも新車「HSV-010 GT」を走らせるホンダ系のレーシングチームをピックアップします!