青山博一がGP250世界王座を獲得！(3ページ目)

GP250クラス、最後のチャンピオンに名を刻んだ！

日本人として誇るべきは、青山博一は最後の「GP250」クラスの王者に輝いたことである。既にAll About「モータースポーツ」でも紹介している通り、世界GPの「GP250」クラスは今年で終了し、来年からは4ストローク600ccのエンジンを搭載したプロトタイプマシンによる新レース「Moto2」へと生まれ変わることが決まっている。

日本グランプリにおける最後のGP250クラスのスタートシーン（ツインリンクもてぎ・栃木県） 【写真提供：MOBILITYLAND】

最高峰クラスの「GP500」「MotoGP」へのステップアップカテゴリーとして数多くの名選手を輩出した「GP250」はおよそ60年に渡る歴史があるが、その中でチャンピオンを獲得した日本人は原田哲也（1993年・ヤマハ）と加藤大治郎（2001年・ホンダ）の僅か２人だけであった。その「GP250」の最後のシーズンで、日本人ライダーが日本メーカーの大きな後ろ盾も無い状況で、海外のワークスバイクを押しのけて最後のチャンピオンに名を刻んだことは、日本人として何とも嬉しい限りである。

まさに、青山博一は日本のロードレース界の誇りだ。

来年はいよいよ最高峰のMotoGPクラスへ

青山博一 1981年生まれ、千葉県出身。桶川塾でレースを学び98年にデビュー。2003年に全日本GP250の王者に輝き、ホンダのスカラシップで2004年から世界GP250を戦う。同年に日本GPで世界選手権初優勝。2006年からはホンダを離れてKTMに移籍。2006年には再び日本GPでも優勝を果たしている。2009年は再びホンダへ移籍し、シーズン4勝で初の世界チャンピオンに輝いた。 【写真提供：本田技研工業】

最後の「GP250」王者の座を見事に掴んだ青山博一はいよいよ来シーズンから最高峰である「MotoGP」クラスへとステップアップし、ヴァレンティーノ・ロッシらと勝負をすることになる。青山のシートはすでに決定しており、ホンダRC212Vを走らせる新規に立ち上がるチームからの参戦となる。

現在の「MotoGP」クラスは世代交代が進んでおり、「GP250」で近年活躍した若いライダーたちがアグレッシブな走りでレースを戦っている。実は青山だけでなく、マルコ・シモンチェリがホンダ・グレッシーニから、アルバロ・バウティスタがスズキ・ファクトリーから、アレックス・エスパロガロがドゥカティのプラマックレーシングから参戦を決めるなど、今年共に戦ったライバルたちも一挙にステップアップを予定している。さらには畑違いではあるものの、スーパーバイク世界選手権で強烈な速さを見せたベン・スピーズも来年からヤマハのテック３チームから参戦するなど、来年は青山とそういったライバルたちのバトルが見逃せない、まさに新時代の要注目シーズンになる。

来年はいよいよMotoGPクラスで戦う。写真はMotoGPクラスを戦うホンダRC212V 【写真提供：MOBILITYLAND】

来年は青山にとっては「勉強の年」になるのかもしれないが、アンドレア・ドヴィチオーゾやホルヘ・ロレンソといったライダーがステップアップ初年度から猛烈な速さを見せてトップライダーの仲間入りを果たしている前例があるので、青山にも是非そうあって欲しい。そして、日本人ライダー全盛の時代ではなくなったが、日本人が誰も成し遂げられなかった最高峰チャンピオンに向かって頑張って欲しいものだ。

青山ならできると思う。
そう思わせてくれる感動的な走りを今年の青山は見せてくれた。
青山博一、世界チャンピオン獲得、本当におめでとう！

【関連リンク】
青山博一公式サイト

ツインリンクもてぎ

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