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モータースポーツの専門用語(1)(2ページ目)

【モータースポーツ専門用語集Vol.1(スタート編)】モータースポーツ初心者の壁となる独特の専門用語を解説。レース観戦の時に分らない用語が出てきたら、ここでチェックしてください!

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

鈴鹿8耐でお馴染みのル・マン式スタート

最も変わり種のスタートと言えるのが2輪の耐久レースで採用されている【ル・マン式スタート】です。コースの反対側からライダーが走ってマシンに駆け寄り、エンジンを始動させてスタートする方式です。伝統の鈴鹿8時間耐久ロードレースではこの【ル・マン式スタート】が採用されています。

ル・マン式スタート【写真:藤井大介(goodspeed)】
【ル・マン式スタート】の名前の由来はフランスの「ル・マン24時間耐久レース」に由来します。このスタート方式は元々はル・マンで開催された4輪の耐久レースが採用していたもので、1970年代までは日本の4輪耐久レースでもこの方式が採用されていました。しかし、4輪では危険性が高いということもあって、いつの間にか2輪耐久レース専門のスタート方式になり、その名前だけが残っています。
2007年の鈴鹿8時間耐久ロードレースのスタート
【写真提供:MOBILITYLAND】

フォーメーションラップはとても重要な1周

セーフティーカーに先導され1周のパレードラップを行う。
【写真:辻野ヒロシ】
レース本番のスタート前に1周ゆっくりとコースを回る周回のことを【フォーメーションラップ】と呼んでいます。この1周はマシンの状態や自分の体のコンディションをチェックするための非常に重要な意味を持つ時間です。

フォーメーションラップ中にマシンを蛇行させて走るシーンを見たことがあるかと思いますが、決して前のマシンをあおってプレッシャーを与えているわけではありません。ドライバーはマシンをあえて蛇行運転することでタイヤを摩擦させ、タイヤを発熱させているのです。これはタイヤをレースに最適な状態にする重要な作業で、これが充分でないとタイヤが充分にグリップせず(路面を捉えず)にコースアウト等の要因となります。この一連の作業は「熱入れ」と呼ばれます。
4輪と2輪では若干名称やレギュレーション(ルール)が異なるので注意が必要
【写真:辻野ヒロシ】

4輪では【フォーメーションラップ】と呼びますが、2輪では【ウォームアップラップ】と名称が異なります。4輪の【フォーメーションラップ】ではその名の通りフォーメーション(隊列)を組んでの走行であるため、前のマシンを(原則として)抜くことはできません。しかし、2輪の【ウォームアップラップ】の場合はスターティンググリッドに戻ってくる間に何度でも前のマシンを抜くことができ、自分のペースで走行することが可能です。

次のページからはスタート時によく使われる専門用語をまとめてご紹介します。
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