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マカオで感じた日本人ドライバーの可能性(3ページ目)

未来のF1ドライバー候補生達がバトルを演じたマカオGP。5人の日本人が参加したが終わってみれば、表彰台は外国人が独占。はたして、日本のF1候補生達に未来はあるのか?

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

期待を背負う日本の2世ドライバー、中嶋一貴。

チームスタッフとの記念撮影ではリラックスした表情を見せた中嶋一貴。チームにとってもフェアウェルレースに全力を尽くしたかったのだが。。
中嶋一貴は日本人初のF1フル参戦ドライバー、中嶋悟の長男である。

かつて、オーストラリアで父親の最後のレースを見守っていた少年も立派な大人に成長し、着々とレースの世界でステップアップを果たしている。

中嶋一貴は父親がゆかりの深いホンダではなく、トヨタの若手育成プログラムで活動している。TDPのサポートで2年間の全日本F3を経て、今シーズンはイギリスに生活の拠点を移し、マノーモータースポーツからユーロF3に参戦した。

スタート前に集中し、一点を見つめる中嶋一貴。
F3はトータルで3年目となる今年、マカオも彼にとって3年目のレースとなった。中嶋が日本人ドライバーの中で最もマカオの経験が豊富ということになる。このマカオはいわば中嶋のF3卒業レースであった。

中嶋はこの時すでにウィリアムズF1テストドライバーになることが発表されていた。ロズベルグやピケといった2世ドライバーが次々にF1に進出してきている昨今、日本での話題の矛先は当然、中嶋一貴に集中する。そういう意味でも負けられないレースだったはずだ。

決勝レースは先述の平手晃平と同じく、マノーモータースポーツのブレーキ不調でリタイアに終わる。何ともほろ苦い卒業レースになってしまったが、翌週のTOYOTA MOTORSPORT FESTIVALではサプライズでウィリアムズ・トヨタのF1マシンをドライブし、F1へのステップアップをファンに印象付けた。

レース前にチームスタッフと一緒にイメージトレーニングをする中嶋一貴。
中嶋は来年、GP2でレースを戦い、ウィリアムズのテストドライバーとして内容の濃い1年を送ることになるだろう。もしかしたら突然のF1レースデビューのチャンスを与えられることもあるかもしれない。

しかし、決して明るい未来ばかりの話ではない。すでに中嶋一貴は結果を求められるF1の世界へ飛び出してしまったのだ。常にプレッシャーと戦いながらの試練の1年になるだろう。この1年が中嶋一貴を大いに成長させ、大化けすることを期待したい。

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ゼロからのマカオ、孤軍奮闘した塚越広大
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