F1/F1(フォーミュラ1)について

カートレース見ずしてF1を語ることなかれ(3ページ目)

サッカーW杯フィーバーで世界中が熱くなる今年、もう一つのワールドカップが鈴鹿で開催される。レーシングカートのワールドカップはF1ファンなら是非とも見て欲しいレースだ。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

ワールドカップのエントリー発表

カートの国際レースにはFAクラス(Formula A)とICAクラス(Intercontineltal A)の2クラスが存在する。どちらもエンジンのチューニングが認められたハイパワーのカートに強烈なグリップを発揮するタイヤを装着するハイエンドなクラスだが、FAクラスは制限が少ないカートの最高峰クラスに位置する。

今大会で「ワールドカップ」のタイトルはFAクラスのみにかけられ、ICAクラスは「アジアパシフィック選手権」として開催される。何といっても注目は「ワールドカップ」のFAクラスにエントリーしたメンツだ。統括団体であるCIK-FIAからエントリーリストが発表になったのでコチラを見て頂きたい。

未来のF1スターパイロットは必ずこの中にいる

昨年11月に開催されたアジパシFAクラスのウイナー、ジュリス・ビアンキ(フランス・16歳)。今回はカーナンバー1を付け、マラネロワークスチームから世界制覇を狙う。
鈴鹿・南コースのフルグリッド34台に対して40台以上のエントリーが集まったFAクラスは予選落ちも出る熾烈な戦いとなる。Maranello, BIREL, PCR, CRG, Tony Kart, Intrepidといったフレーム(シャシー)製造メーカーのワークスチームが参戦し、日本からも全日本選手権や国際カートレースで活躍するトップドライバーが数多く参戦する。

何といっても注目はMaranelloから参戦する16歳ジュリス・ビアンキだ。昨年のFAクラス・アジアパシフィック選手権(通称アジパシ)では巧妙なレース運びでベテランを翻弄しバトルを制した。
すでに「ワールドカップ」の開催が決定していたため前哨戦となった昨年のアジパシで異次元の戦いを見せたビアンキとBIRELワークスのチェセッティとランカスターは今大会でも注目の3人だ。まずは彼等3人の名前を覚えてその展開を見守って欲しい。
そして、未来のF1パイロット候補生として目を付けられ推薦を受けて参戦するドライバーもいる。ルクセンブルグ出身の16歳サミュエル・クリドアらのティーンエージャー達は伏兵としてレースを面白いものにしてくれる可能性が高い。

セオリーなんて関係ない、血気盛んなスーパーバトル

シューマッハを追い回す若き獅子、アロンソもいつか彼らに追い回される日がやってくるはずだ。アロンソのワールドカップでのリザルトを見たい方はコチラ
海外のドライバーのレースぶりを見ていると驚かされることが多々ある。彼等はオーバーテイクポイントの数が明らかに多いのだ。、鈴鹿を走り慣れた日本のドライバーがバトルをしかけないコーナーやリスクの大きいと言われるコーナーであっても、果敢にインに飛び込んでいく。決して無茶ばかりをしているわけではない。彼らは地の利がない分、短い練習走行の中で地元ドライバーの動きやコースの特性を必死になって分析している。もちろん最高のマテリアルを与えられたワークスドライバー達はレースで有利な存在となりうるが、彼等の強さはマシンだけではないことは一目瞭然だ。

海外の血気盛んな若手たちは「レースとはどういうものなのか?」
「F1を目指すとはどういうことなのか?」その走りと姿勢で多くのことを教えてくれる。鈴鹿で開催される「ワールドカップ」は最も身近に見れる世界レベルのレースだ。

F1候補生の青田買いブームは一段落したが、彼等のカートでの戦いはいつの日か大きく評価される時がやってくる。
きっと3年後くらいにはマカオF3などで彼等の名前をみかけるようになるだろう。
「この道はF1へ続く」これは単なるプロパガンダではない。あなたがF1ファンならば、ぜひとも肌で感じて頂きたいと心の底から思うのだ。
激戦の「ワールドカップ」を制し、F1への切符を掴むのは一体誰か?
(写真撮影: 辻野ヒロシ)



<関連リンク>
CIK-FIAワールドカップカートレース
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