球春ならぬ“競春”近し。GT300クラスには11台のマシンが参加した。
トップタイムをマークしたのは、大方の予想を裏切った小林且雄/谷川達也のクスコスバルインプレッサ。「シーズンオフにここでずいぶん走りこんでるからじゃないの?」と小林。昨年のモデルのままながらヘッドライトまわりも変更され、かなり凛々しく見える。
2番手には新車ポルシェGT3RSを投入した松田秀士/西澤和之のスポーツトゥディタイサンGT3がつけた。「GT3RSは基本的にGT3Rと変わらない。でも新車だし剛性はいいね」と松田。またチームメイトでありディフェンディングチャンピオンである福山英郎は余郷敦を新パートナーに迎え、TEAM TAISAN ADVAN GT3で6位。こちらは00モデルのGT3Rながらシーケンシャルシフトを組み込んだり、冷却系に手を加えているが「なんでシーケンシャルの僕らの方が遅いんだろう?」と福山は苦笑。「今年ポルシェは苦しい。リストリクター径が1mm狭められて車重も50kg増えてます。8200回転まで回っていたエンジンも7500回転までしか回らないんですよ。バイパーも同様のハンデを課せられました。こちらは富士のテストで走らせてみないと分からないですけど、勝負にならないようだったら参戦を断念します」と千葉泰常監督の表情は険しい。
この他ポルシェ勢では、井倉淳一/牛窪宏次のJIM・メディコムGT3Rが7位、新規参戦となる柴原眞介/藤原靖久のR&DスポーツGT3Rが8位、日置恒文/渡辺明(開幕戦は羽根幸浩が出場)のARC大黒屋ぽるしぇが9位、OSAMU/中川隆正というベテランが組むレイジュンR&DアドバンGT3Rが10位。ポルシェのマージンは多少削られてしまったようだが、これでGT300クラスはますます混戦になっていきそうだ。
3番手のタイムをマークしたのは、新田守男/高木真一のARTAアペックスMR-S。「リヤセクションに補強を入れたりジオメトリーを変更するなど、ずいぶん改良しましたよ。もちろんチャンピオン狙っています」と伊藤宗治チーフエンジニア。今年MR-Sは4台(途中から5台)になり、一大勢力となる。今回のテストにおける上位3台は、FR、RR、MRと同じ後輪駆動ながらエンジン搭載位置が異なる。決勝ではどのタイプが活躍するのかにも注目したい。
4位は山野哲也/松本晴彦の雨宮マツモトキヨシアスパラRX7。車両は4年目のかなりくたびれたマシンながら好位置につけている。開幕戦か第2戦には新車が投入される予定なので、こちらのタイムアップも楽しみだ。
99モデルながら5位につけて周囲を驚かせたのは井出有治/柳田真孝のユニシアジェックスシルビア。井出は2年ぶりのシルビア、柳田は初めての“ハコ車”ながら「コンスタントラップも刻めたし合格」と長谷見昌弘監督も手応えを感じたようだ。開幕戦には大幅改良された01モデルが投入される予定で、若手のふたりがシリーズを掻き乱してくれるかもしれない。
また佐々木孝太/西澤誠剛のダンテールフェラーリウエディング(=F360モデナ)も参加して11位。こちらはまだ改良の余地ありといったところだ
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