あとは価値観にうったえるしかない!
この特徴を「良くない」と考えるか「気にしない」と考えるかでアイの評価は正反対になるから面白い。「軽自動車なんだからキチンと動けばいい」みたいな人は、全くダメだと思う。同じ軽自動車でも、ダイハツ・エッセなら半額で買えちゃいます。でもクルマ好きからすると、スタイルだけでアイが持つ全ての弱点を許せてしまうことだろう。考えて欲しい。BMWの3シリーズは、最も安いモデルで390万円。同じくらいの性能を持つ日本車だったら半額だ。3シリーズより広い室内スペース持つミニバンだって買えてしまう。運送能力だけの評価なら、軽1BOXカーの方が上。移動の道具として評価すると、3シリーズを買う理由など無い。
難しく表現するなら「文明と文化」の差かと。文明(道具)として自動車を考えるならアイは厳しい。けれど文化(大上段に構え”人生”と表現しておきます)を大切に考える人にとってみると、普通の軽自動車より圧倒的に魅力を感じることだろう。
したがって継続して好調な販売台数をキープ出来るかどうかは、三菱自動車の努力に掛かっている。居住性や価格の評価で勝負決まる土俵へ上がって戦おうとしちゃダメ。輸入車やブランドのバッグ、時計のように「持っていると幸せになれる。持っている人がうらやましく見える」ような存在として育てていかなければなりません。RR(分類的にはリアミッドシップというよりリアエンジンリアドライブだと思う)の魅力を売り込む三菱自動車の販売戦略に期待したい。
関連サイト
三菱のふしぎな繭、「i」。