デザインよし!走りよし!その上、コストパフォーマンスも高い!
アウトランダーというクルマ、実車を見るまであまり期待していなかった。SUVは今や人気ジャンルと言えず、エクストレイルとフォレスターが何とか商売になっている程度。そんなマーケットに新型車を出したって厳しいだろう、と思ったのだ。しかし! クルマを見て「なかなか魅力的ですね」。ハンドル握ったらさらに評価上がり「成功するかもしれない」。以下、具体的に紹介してみよう。まずアウトランダーの”車格”から。ボディサイズを見ると220万円級のエクストレイルやフォレスターより一回り大きく、アメリカ市場を強く意識して企画された280万円級のハリアーやムラーノより少しコンパクト。日本じゃちょうどいい感じ。搭載されるエンジンは2,4リッターと、ハリアー並。それでいて250万円前後の価格帯なので、コストパフォーマンスは高いと思う。
デザインも良い。見慣れないウチは「素直なスタイル」としか感じないだろうけれど、どんどんカッコよく見えるようになるハズ。街中で見るとハッとするような面の構成かと。自動車をデザインするときに「大きなファクター」と言われる清潔感もある。有能なデザイナーが三菱自動車にも居たということです。ちなみに3列目シート仕様を選ぶことも可能。このクラスで3列目のシートを持つSUVは世界的に見て珍しい。
上級グレードにはアメリカでは超有名なロックフォードフォズゲート車のオーディオを標準装備。こんなにデカイ、ウーハーも付く |
特にシンセサイザー使うポップスに合う。アウトランダーの試乗に行くなら、ぜひともCDでもMDでもお気に入りのソフトを持ち込んで試して欲しい。気持ちよさという評価軸なら(ピアノやバイオリン、サックスなど原音再生はまぁまぁ)、現時点で世界トップだと思う。もちろんアウトランダーを買うのであれば、このオーディオ付きをぜひどうぞ。
新開発のエンジンも良い。Dレンジのまま信号待ちでのアイドリング振動限りなくゼロ。回転上げるとに「キューン」というポンプ類の駆動音が出るが、それ以外は燃費を含め優秀だ。組み合わされるCVTまで従来の三菱車と全くレベル違う。どうして今までこういったクルマを作れなかったのだろうか。これでクルーズコントロールがオプションでイイから選べれば、スキーの相棒として最高なのに。
そうそう。4WDは電子制御式。さすが長い4WDの経験を持つ三菱だな、と感じるのが、アクセル戻した時の駆動力配分。15%分だけ後輪にもエンジンブレーキ掛かるのだという。普通の電子制御式だとFFと同じく前輪にしかエンジンブレーキ掛からず、不安定になってしまうのだ。後輪にもエンジンブレーキ掛かれば、滑りやすいアイスバーンでバランスを崩し難い。
思い起こしてみれば、ダイムラークラスラーとの提携時代に開発されたグランディスとコルトは、ホメるべき点がほとんど無かった。アウトランダーと全く違う。それだけ三菱自動車のクルマ作りは変わりつつあるということかもしれない。あまり人気の無いジャンルだということだけがマイナス点か。とは言え今の三菱自動車に必要なのは大ホームランでなく着実なヒット。上々だと思います。
関連サイト
アウトランダー購入ガイド