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21世紀最初の大発明は本当?

21世紀最初の発明といわれているセグウェイ。人間が立った状態で乗る、新しい乗り物だが、実用化となると様々な問題がありそうだ。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

すでにTVなどで実物が動いているのを見た方も多いだろう。精密な複数のセンサーで絶えずバランスを確保。スイッチ入れれば人間の操作無しで自立している。操縦装置は「重心移動」。身体を前に倒せば前進。後ろに反ればブレーキ。右に捻ると右に曲がるといった具合。コメントを見る限り、自転車より簡単に乗れるとか。最高速度は現在の製品で20キロ弱と言われているけれど、その気になれば32キロくらいまでの能力を持っているようだ。走行可能距離は普通に使って20~25キロくらいだと予想される。

セグウェイが「21世紀最初の大きな発明である」と言われていたのは「新しい時代の移動手段」になると伝えられたから。渋滞した都市部の場合、自動車の平均速度は20キロ程度。したがって32キロ出れば自動車に匹敵する移動手段になる。もし実用化されたなら、都市部の渋滞や大気汚染も大幅に緩和されることだろう。しかし20キロしか出ないとなれば、交通手段としては物足りない。モーター補助付きの自転車でいいということです。なぜ20キロなのか? アメリカでも法律の問題が出ているらしい。

32キロも出るとすれば、これはもう歩道を走らせることなど不可能。子供や老人などと衝突すれば死亡事故になってしまうこともある。20キロなら何とか容認出来るということか。ただショッピングモールの中など、20キロだって早い。歩行者と同じ扱いにするのであれば、モール内は電波など使って強制的に速度を落とすようなシステムが必要。アメリカでは郵便の集配や、ゴルフカートといった特殊な用途から普及さえていく方針とか。おそらくセグウェイの能力を発揮させようとすれば、専用道などの設置が必要。

我が国ではどうか? 「自転車扱い」は警察も国土交通省も認めないと思う。エンジンやモーターといった原動機だけで走れる乗り物は、シニアカーなど極めて遅い特殊車両(6キロは目安とか)を除き全て免許は必要になる。セグウェイも『原付』扱いだ。となれば歩道を走れず、車道のみ。むろん一方通行だって守らねばならぬ。例え30キロ出たとしても、道路で自動車と一緒に走るのは怖いったらない。また、量産されても10万円以上するだろうから(現在は市販後1年ほどで36万円程度を目安としている)、駅やショッピングセンターの前に止めるとなれば、盗難の心配もあろう。

以上、いろいろな面から考察してみても、やっぱり21世紀最初の大発明にはなりそうもない。非常に面白いけれど、マーケットが無いと思う。もしホンキで普及させるつもりなら、ジンジャー専用の交通環境と法規などを作らなければダメだろう。逆に政府が真剣に交通手段として育てようとすれば、21世紀最初の大発明になる可能性を秘めている。32キロという速度を安全にコントロール出来るなら、10キロくらいまでの移動は全てセグウェイで済むだろう。しばらく様子を見たい。個人的には極めて難しいと考えます。

<関連サイト>
オートアスキー24

Ginger Japan
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