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東京都のロードプライシング案を検証する 東京都のロードプライシング案

6月下旬に東京都はロードプライシング(東京都心部に流入するクルマから高額の通行料金を取る、というシステム)の草案を発表した。不満のある方は早めに意見を表明すべきだと思う。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

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東京都の『ロードプライシング』(都心部に流入するなら高額の入場料を払いなさい、というシステム)を検討していた委員会は6月27日に具体案を公表したけれど、早くも「冗談じゃない!」という声が上がっているようだ。まず検討委員会の具体案を紹介しておこう。400円から600円というメチャクチャ高額な「入場料」の課金対象となる地域は4案出ている。

1)環状2号線の内側。この場合、皇居を中心とした本当の中心部のみ。新宿や渋谷、池袋、銀座、上野といった繁華街は対象外。都内部の混雑緩和といった目的からすればイマイチか。やるだけムダだと思う。

2)山手線と隅田川で囲まれる地域。山手線を越える陸橋やアンダーパスと隅田川に掛かる橋で通行する車両をチェックすればいいから、課金は比較的簡単だと思う。一般的にイメージする『都心部』といった感じ。規制区域外の幹線道路が渋滞する心配も少ない。ただ山手線の駅の内側は事実上入れなくなるため、内側にあるデパートのような商業施設から反発が出る。

3)環状6号線と隅田川で囲まれる地域。都心部の渋滞緩和という点からすれば最も効果高い。ただ環状6号線の内側に立地する商業施設などからの反発は出る。加えて都心部に入ろうとする車両のチェックポイントが膨大になってしまう。環状6号線から内側に入る道を大幅に削減し、課金ゲート作らなければならないからだ。環状6号線の渋滞が激化すること間違いなし。この場合、沿線住民の健康被害の問題も出てくる。

4)環状7号線と荒川で囲まれた地域。都心部の渋滞緩和策として評価すれば理想的だと思う。しかし環状7号線から内側に入る道は無数にあって、全てに課金ゲート作ることなど不可能。しかも内側の病院に通う人や、日用品の買い物で環状7号線を渡る都民も膨大な数になってしまう。山手線内側なら居住している住民も限られるけれど、環状7号線沿いとなれば膨大な人口。

 といったことを考えると、多少実現出来そうなのは2番目の案のみ。3番目の案になると、環状6号線を含めた外側の渋滞が激増すると思う。4番目の案は課金するということを考えれば物理的に不可能。

 また、課金は監視カメラでナンバーを撮影し、後日請求するシステムなど想定しているそうだが、偽造ナンバーなど使われたらどうするのだろうか? 全くいわれのない請求書を貰っても困ってしまう。かといってその場で料金を収受することなど出来まい。実施時期は2003年以降としている。個人的には環状6号線そのものと内側はディーゼルの走行を禁止し、軽自動車とバイクのみ無料にする、なんて実現性高いと思う。これだけで渋滞と大気汚染はグッと減ると思います。いずれにしろクレームや意見は法案が決まる前に東京都まで。決まってからでは遅い。
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