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平成12年排気ガス基準の内容

昨年、昭和53年以来、改定のなかった排気ガス基準が新たに制定された。欧米に比べ、排気ガス基準が遅れていた日本もようやく腰を上げたわけだ。そこであまり知られていない新しい日本車の排気ガス基準のレーティングについて紹介。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

最近、リアウインドゥに☆マーク付いたステッカーを付けたクルマを見かけるようになった。インプレッサの1500ccやシビックは☆2つ。セルシオやプリウスなど☆3つ付いている。この☆、排気ガス基準を表示しているのだけれど、なんだか解りにくい。以下、簡単に説明しておこう。

まず基準となっているのは『平成12年排気ガス基準』なるもの。あまり知られていないことながら、これまでの排気ガス基準は今から22年も前に制定された『昭和53年規制』というものだった。この基準でも排気ガスはディーゼルなど相手にしないくらいクリーンなのだけれど、欧米では一段と厳しい排気ガス基準を制定している。日本も「だったらウチもやらなくちゃ」となったワケ。かくして平成12年排気ガス基準策定となった次第。

内容はけっこう頑張った。53年規制に対し、約70%も排気ガスを削減しなければならないというもの。これだけ見ると「凄い技術の進化でないの!」と思うだろうが、世の中の流れはもっと速い。アメリカでは平成12年規制の半分しか排気ガスを出さない『LEV』(ロー・エミッション・ヴィークル)や、一段とクリーンな『ULEV』(ウルトラLEV)まである。当然ながら日本車でもLEVやULEV基準をクリアしたモデルがあり、メーカーもそこを宣伝に使い始めた。運輸省にとっちゃ面白くない。だってアメリカの基準なんだから。そこで日本独自の基準のように思わせるため、平成12年規制よりクリーンなモデルについては☆印を与えることにした。

平成12年規制を基準とし、☆一つはマイナス25%の『良-低排出ガス』。☆二つがマイナス50%で『優-低排出ガス』。そして☆三つをマイナス75%の『超-低排出ガス』に区分。イメージ的には☆二つで交通量多い交差点の大気レベル。☆三つなら、都市部の大気レベルなので、ほとんど環境にダメージを与えない。ただアメリカにはもっと厳しい『SULEV』という基準まであって、この規制をクリアしたクルマの排気ガスは普通のオフィスと同等のクリーン度。走れば走るほど大気を浄化してくれる。どうせなら日本も☆四つというのを作ったらよかったのに。このSULEV、すでに日産とホンダが今年からアメリカで販売している。日産シルフィもSULEV基準をクリア出来る内容。これから買うなら☆付きをどうぞ!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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