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1980年代以降の建築とファッション(2ページ目)

国立新美術館にて開催中の「スキン+ボーンズ―1980年代以降の建築とファッション」展。創造性の高い建築家やデザイナーの作品を概念、形態、構成、技法等を切り口として、建築とファッションの共通性を検証します。

遠藤 友香

執筆者:遠藤 友香

レディースファッションガイド


建築とファッションの近似性を探る


Skin + Bones: Parallel Practices in Fashion and Architectureフセイン・チャラヤン《アフターワーズ》コレクション(2000年秋冬)Hussein Chalayan, Afterwords collection (Fall/Winter 2000)
Photo c Chris Moore, Courtesy of Hussein Chalayan
Collection Musee d'Art Moderne Grand-Duc Jean, MUDAM, Luxembourg
絵画や彫刻といった美術作品のみにとどまらず、国立新美術館の新たな試みとして、8月13日まで開催されているのが、近年の建築とファッションの動きを紹介する「スキン+ボーンズ―1980年代以降の建築とファッション」展。

これまで建築とファッションは、人類の誕生以来、人間の身体を守るシェルターとしての役割、また社会的、個人的、文化的なアイデンティティの表出として共通点があるにも関わらず、建築とファッション、両者の共通項が取り上げられることはありませんでした。

しかし、1980年代以降、建築とファッションはお互いの距離を縮め、刺激し合っているよう。例えばファッション・デザイナーたちは、布を使い、構築的かつ複雑な衣服を作り始め、建築の分野では、仕立ての技術に通じるような、より複雑なフォルムを生み出しています。それは、特にコンピュータをはじめとする様々な技術革新が、自由な造形を実現可能とし、表面と構造の関係に変化をもたらしたためであると考えられます。

本展は、現在世界中で活躍する建築家、例えば、フランク・ゲーリー、坂茂、伊東豊雄、妹島和世+西沢立衛/SANAA、またインテリア・プロダクトデザイナーの吉岡徳仁らが手掛けたプロジェクトの模型、写真、そしてイメージや、ファッションデザイナー、例えば、フセイン・チャラヤン、アレキサンダー・マックイーン、ヴィクター&ロルフ、コム デ ギャルソン、山本耀司、三宅一生、ナルシソ・ロドリゲス、オリヴィエ・ティスケンス、マルタン・マルジェラ、ドリス・ヴァン・ノッテンなどが制作した服など、21カ国約40名の作品、合計230点余りの作品が集約している贅沢な展示会となっています。

これらの作品を本展において、概念、形態、構成、技法などを切り口として視覚的に検証することによって、1980年代以降の建築とファッションの主な流れが掴めるようになっています。


次のページでは、「スキン+ボーンズ」展を概念および形態を切り口として、検証していきます。
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