企業年金・401k/401k企業型の運用のポイント

401k資産運用テクニックの基本のキホン(4)(2ページ目)

401kの運用基礎講座です。第4回目は「投資信託の活用」です。投資信託の基本的な選び方、買い方を401k運用に特化して解説します。バックナンバーと合わせて読んでくださいね。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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「投資信託の選び方」編

まず考えてみたいのは「投資信託を選ぶ方法」です。10本前後の商品一覧をみて圧倒される人も多いのですが、商品の選び方を考えてみます。

●「10本あるから10%ずつ×10本」はNG!
投資信託の選び方を初心者の人に聞くとよく出てくるパターンに「10本あるので、10%ずつ10本とも試してみました」というものがあります。正直いってこれはおすすめできません。

このやりかたは投資信託の運用対象が「日本株式:9本、外国株式1本」の場合と「日本株式4本、日本債券2本、外国株式2本、外国債券2本」の場合で、運用の形式がまったく異なってくるからです。

なんとなく投資信託を買うのではなく、「何の投資をする投資信託を何割買うか」という頭を作っていきましょう。先の例では前者は日本株式9割という投資になっており、他の投資対象にはほとんど資産が回っていない状態について気がつく必要があるわけです。

●「有名な○×投信会社の商品だから」はNG!
また、おすすめできない方法として「有名な会社の○×投資信託だから買おう」というものもあります。これも初心者にありがちなパターンなのですが、「何の投資をする投資信託か」という目線がありません。

株式で運用するものか債券で運用するものか、あるいは国内で運用されるのか海外で運用されるのか、といった考えが先にあって「じゃあ△△投資信託を買おうか」と考えたいものです。

401kでは会社が運用商品のリストを予め決めていますので、お気に入りの投資信託会社ばかり選ぶと、運用が偏ることになります。例えば外資系の投資信託会社の商品ばかり選ぶと、日本株式の運用はゼロということがあるわけです(それを運用方針として了解していればかまいませんが)。

●投資信託は「□△で運用する」に着目する
上記の2つの例を見て分かるとおり、投資信託では「□△で運用する投資信託」によって実績が大きく変わります。違う投資信託会社が運用する投資信託Aと投資信託Bは、同じ日本株式で運用されるのであれば、成績は似通ったものになります。

逆に、同じ投資信託会社が運用する投資信託Cと投資信託Dがあったとしても、Cは日本株式、Dは外国債券で運用するとすれば、運用成績は全然違うものになるのです。
(詳しく確認したい人は企業年金連合会資料などをチェックしてみてください。P13に投資対象ごとの過去10年分の値動きが掲載されています)

●投資信託は「運用の手数料」に着目する
もうひとつ、チェックしたいのは手数料の多寡です。手数料が高い投資信託が運用成績も高くなる関係があれば、高い手数料の商品を選べばいいのですが、資産運用ではそう簡単ではないのです。

たとえば日経平均株価の値動きと同じ値動きをする投資信託があったとします(インデックスないしパッシブ運用という)。これに対して運用調査や分析モデルを活用して日経平均を上回る成績を目指す投資信託があります(アクティブ運用という)。この場合、手間がかかる分、後者の手数料は高くなります。

ところが、手数料が高いから成績もいいかというと、「やってみなければ分からない」というのが正直なところなのです。また、日本の株価が下がっているときにアクティブ運用だけプラスになるということもほとんどありません。

私は401kで運用する一般の会社員はインデックス運用で十分と思います。アクティブ運用を組み入れてもかまいませんが、手数料が高い分、結果として損をすることもあると理解して部分的に購入するといいでしょう(うまくいくことも、ありますが、事前に予想することは困難です)。
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