田舎の冬のダイヤモンド
連日続く猛暑の日々。しかし、もう少し辛抱すれば星空が最も美しい季節がやってきます。星を観るというと、大口径の望遠鏡での「天体観測」をイメージしますが、田舎暮らしではただ星空を見上げているだけで充分。街のネオンもないし、空気も澄み切っているからこそできる、自分の目だけで夜空を見上げる「星見」の楽しみ。
庭にテーブルと椅子を持ち出し、ホットウィスキーや焼酎のお湯割りをセット。そして、家中の明かりを消す。一挙に全天宝石箱を引っくり返したような、スペースオペラが始まります。
特に冬の星座は豪華版。まず、スターウォッチングの初心者でも楽しめる、1等星から眺めてみましょう。
写真はイメージです
アルデバラン(牡牛座)/アラビア語の「後の続くもの」からきた名で、プレアデス星団の後から上るところからついたもの。約65光年の距離にある赤い1等星。牡牛座も冬の代表的な星座の一つで、雄牛の顔をつくる星ぼしでV字形を描いています。
シリウス(大犬座)/全天で一番明るく輝くことから、ギリシャ語で「焼き焦がすもの、輝くもの」と呼ばれました。爛々と光ることから中国では「天狼」とも。約9光年の距離にある1等星。大犬座は犬の顔の三角形を描いています。
プロキオン(小犬座)/ギリシャ語の「犬の先がけ」をラテン語化させた名前。シリウスより先に東の空に上ることを表しています。約11光年の距離にある1等星。子犬座は冬の天の川のほとりにある星座です。
カペラ(馭者座)/ラテン語の雌の子山羊を意味し、約40光年の距離にある黄色い1等星。馭者座は明るい5つの星で五角形を描いています。その形から、日本では五角星とか五つ星と呼ばれています。
ポルックス&カストル(双子座)/冬の星座のラストバッター。大神ゼウスの双子の息子の名前が当てられています。双子座は二つ並んだ兄弟の輝星が目につきます。ちなみに、兄のカストルは乗馬の名手,弟のポルックスは剣術とボクシングの強者でした。
そして、この1等星たちをつないでみる。これぞ!光り輝く冬のダイヤモンド。淡い天の川にまたがる,豪華な冬の星座たちのオールスターキャスト。700光年離れた宇宙に想いをはせれば、心がときめきます。
好きな星座の探し方
写真はイメージです
後は、明るい星から並びの特徴などを手がかりに、目当ての星座を探していきましょう。
せっかく田舎の良い環境に暮らしているのに、肉眼だけではもったいないという人には、少しだけグレードアップできる道具があります。
・星座早見盤/何時頃、どこの方向に、どんな星座が見えるかが一目でわかる便利な道具。。場所と時間を目盛りで合わせるだけで、星座がすぐに確認できます。
・方位磁石/北極星を探せない人の必須アイテム。星座早見盤とペアで。
・ペンライト/赤いセロファンなどを被せて、星座早見盤を確認するために使用します。目に優しく、消してもすぐに星が見えやすい明かりなので、星見には便利です。
・双眼鏡/小さなものでも肉眼よりはるかに沢山の星が見えます。運びやすく視界が広いので、気軽にたくさんの星を楽しみたい人に適しています。中、大型双眼鏡を使えば、星雲、星団の観望に威力を発揮します。
秋と冬の夜のスターウォッチング。あなたが最後に星を見上げたのはいつですか?