仕事・給与/給与明細の見方

給与の手取りの計算方法とは?引かれているものは

お給料の手取額が少なくてびっくりする人も多いのではないでしょうか? 給与からは一体何が引かれているのでしょう。健康保険、年金、雇用保険、介護保険が引かれ、税金は所得税が源泉徴収され、前年の所得に対する住民税も引かれています。給与明細の計算ステップをご紹介します。

福一 由紀

執筆者:福一 由紀

ファイナンシャルプランナー / 仕事・給与ガイド

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給与からは何が引かれている?給与明細でチェック

お給料日に給与明細書を開いてみると、銀行に振り込まれている金額が少ない……と驚くことがあります。その理由は、色々なお金が給与から控除されているから。いったい、どんなお金がお給与から天引きされているのでしょうか? 確認してみましょう。
 
今後の手取額の動向を知るためにも、しっかりと給与明細はチェックをしておきましょう

今後の手取額の動向を知るためにも、しっかりと給与明細はチェックをしておきましょう

 

給与天引きは社会保険、税金+α

給与から控除されるものの中で一番最初に計算されるものは、社会保険の保険料です。また、税金も控除されます。これらは、強制的に控除されるお金。どの会社にいても、間違いなく天引きされるお金です。

その他にも、会社独自の制度や給与引き落としで、購入した商品の代金などもあります。一言で給与から天引きされるお金といっても多種多様ですね。
 

まずは健康保険、年金、雇用保険、介護保険から

給与から必ず控除される社会保険料。この社会保険とは健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険です。介護保険料が徴収されるのは、40歳になってから。40歳になると、介護保険料の控除が始まります。給与は同じでも、手取額は減ることになりますのでご注意を。

保険料の計算は、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、介護保険ともに、収入に比例して決まっていきます。雇用保険料は、給与の総支給額に保険料率をかけたものになります。

健康保険や厚生年金保険料、介護保険料なども、標準報酬月額に保険料率をかけて計算されます。この標準報酬月額とは、毎年4月、5月、6月の3カ月間に支払われた報酬(基本給、残業手当、通勤手当など)の合計額を3で割って平均月収を出し、標準報酬月額等級表と照らし合わせて等級が決まります。この金額は、その年の9月から翌年8月まで使われることになります。

健康保険や厚生年金の保険料は1年間固定になりますが、雇用保険料は毎月計算されます。残業手当で支払額が増減されると、雇用保険料もそれに伴い変化します。
 

税金は所得税が源泉徴収

社会保険料の次に控除されるのが、所得税の源泉徴収です。所得税は1年間の所得に対してかかる税金ですが、正確な税額は年末にしか決まりません。それまで、支払われる給与から一定額を源泉徴収として所得税を納めておき、年末に精算(年末調整)する仕組みです。

この源泉所得税が毎月の給与から天引きされており、給与明細書には所得税として記載されています。

源泉所得税は、課税対象となる給与(通勤手当などは非課税)から、先に控除された社会保険料を差し引いた金額から税額が決まります。その時に扶養親族の人数が影響する場合もあります。

この社会保険料と源泉所得税は、一番に給与から控除されるものです。これは、強制的に控除されるものです。ただ、これ以外にも控除されているものがあります。
 

前年の所得に対する住民税も

給与から控除される税金として、所得税以外に住民税もあります。住民税は、前年の所得に対してかかってくるもの。新入社員などの前年の所得が一定以下の人の場合は、住民税の負担がありません。

また、住民税の納付方法として、会社で天引きをする特別徴収と、自分自身で納付をする普通徴収があります。普通徴収を選んでいる人は、住民税の天引きはありませんね。

住民税の税額は、市区町村が計算します。給与天引きの特別徴収は、その1年の所得に対する住民税を、翌年6月から翌々年の5月まで天引きされることになります。
 

財形貯蓄や労働組合費など、労使協定による控除も

社会保険料や税金などは必ず控除をしないといけないもので、法定控除といわれます。そのほかにも、会社と従業員が協定を結んで控除をすることができる、労使協定による控除があります。

労使協定による控除は、財形貯蓄や労働組合費、社内旅行積立費、寮費などがあります。また、給与天引きで契約した民間会社の保険料や買い物などの代金。これらも、給与から引かれることになりますね。

給与明細書、今からしっかりチェックをしておきましょう。

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