新婚当時(1995年)
ミュージシャンや役者が多く住む東京の高円寺という街で、新婚生活をスタートさせた私たち。お互い会社勤めの経験が一度もなく、夢と希望と笑い声だけが人一倍大きい事くらいが取り柄の世間知らずでした。『自営業同士。きっと何かあったらまずいに違いない』
会社員には、傷病手当、失業手当、遺族年金があると知ったのは、2000年にFPの勉強を始めてから(遅すぎです)。本当に何も知らなかったのですが、今思えば、このすばらしい勘がその後のマネープランを大きく変えたのでした。
その足で、すぐに郵便局に行きました。ピンチを救ってくれるのは保険!売っているのは?郵便局だ!と思ったのです。今でこそ私は、生保、損保36社の商品を網羅し、誰よりやさしく保険について語る自信があるのですが、当時は「保険のホの字」も知らない素人さん。窓口のやさしいおじいちゃまに勧められるがままに、郵便局のとなりの喫茶店でコーヒーをごちそうになりながら、ハンコを押しました。
その商品とは・・・・。
居酒屋のような保険?!
「今は若いあなた達も、15年後にはきっと家を買って、子どももいるでしょう。その時にお金が戻ってくる保険に入りなさい」郵便局のおじいちゃまは、やさしく教えてくれました。「貯金よりいいですか?」
「そうだね、年払いにすれば貯金よりいいですよ」
「ところで、この居酒屋のような名前の保険は何でしょう?」
「居酒屋?養老保険といって・・・」
養老と言えば、居酒屋の養老乃滝しか知らなかった私は、全く商品のイメージがつかめませんでしたが、貯蓄性の保険である事、死亡保障と同じだけのお金が満期に貯まる事。特約で入院保障もつけられる事を教わりました。
「15年後に2人で1000万円貯まればいいでしょう」
当時の私たちには天文学的数字の1000万円という保険金を示され!保険とは、そういう物だと勝手に納得し、その保険が私たちに合っているのかも考えず、毎月の保険料およそ3万円、夫は2万円の商品に加入したのです。FPになってから思えば、収入が少ない新婚カップルに毎月5万円以上の出費というのは生活を圧迫するので、なかなか勧められるものではありません。大胆な提案でした。
結局いくら得をした?今もあるこんな商品!