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しつけとしての「体罰」は有効か?(2ページ目)

しつけとしての体罰は有効か?どこまでが「しつけ」で、どこからが「体罰」なのか?それぞれに見解の分かれるテーマですが、一人の父親として考えてみました。

執筆者:遠藤 雅大

警報!増え続ける児童虐待は過去最悪のペース

しつけとしての体罰は有効じゃない
「しつけ」と称した過度な体罰が、児童虐待へとエスカレートする事例も後を絶ちません
昨今、子供を殴る蹴る等の身体的な暴行に加え、ネグレクト(食事などの世話をしない等の養育放棄)で子供が入院したり死亡するという痛ましいニュースは後を絶ちません。厚生労働省の調査によると、2005年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待の件数は34,000件を超え、過去最悪のペースを更新しています。

中でも身体的な虐待については、「厳しく叱っているうちに、自分を見失ってしまった。しつけのつもりで行った体罰が、徐々にエスカレートしてしまった」との事例が数多く報告されおり、育児の悩みや不安、不満等のストレスが限界に達したとき、その感情のはけ口として子供に体罰を加えてしまったことが要因だとも考えられます。

幼いわが子を虐待する親が増えている……。僕たちは今、この現実を正面から受け止め、どうすれば虐待という過ちを犯さずに子供たちを育てていけるのだろうかを、もう一度考えてみる必要があるのではないでしょうか?

しつけとしての体罰は、有効じゃない!

しつけとしての体罰は有効じゃない
子育てに悩みはつきものですが、悩んだときこそ愛情を持って接することが大切
しつけ、体罰、虐待。なぜこれほどまでに事態は深刻化していて複雑なのかを考えると、そこには「子供のしつけ」の難しさ、「叱る」という行為の難しさがあります。

僕自身も子供を叱ったあとで、その叱り方が正しかったかどうか冷静に振り返ると、「子供は正しく理解してくれただろうか?感情的になりすぎてはいなかっただろうか?他に方法は無かったのだろうか?」など、次々と疑問が沸いてきたり、自己嫌悪に陥ったりすることがあります。

ついカッとなってしまい手を上げてしまった。あるいは厳しく叱りすぎてしまったということは、親であれば誰もが経験することだと思いますが、たとえ「しつけのつもり」であったとしても感情にまかせて体罰を行えば、取り返しのつかない児童虐待へとエスカレートする危険性があります。そして萎縮する子どもたちの心には、恐怖心や反抗心、復讐心が芽生え、それは心の発育に大きな悪影響をもたらすと指摘されています。

そもそもの「しつけ」とは、子供たちが将来きちんと自立できるように、社会的な道徳やルール、マナーを教えるということ。それを教えるために必要なのは、体罰や暴力ではなく、まずは愛情だと思います。子供たちは愛情をたくさんもらうことで、愛される自分に自信が持てるようになり、人を心から信頼する気持ちが生まれます。僕たち親は、子供との接し方、特に「しつけ」や「叱り方」で悩むときこそ、まずは愛情を持って接することが大切なのではないでしょうか?


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